SILKYPIX® Developer Studio 4.0SOFTWARE MANUAL
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5. 現像処理と現像結果の保存

処理対象のRAWデータまたはJPEG/TIFF画像を現像処理して、結果をJPEGまたはTIFF画像ファイルとして保存する方法について説明します。

1つの選択コマに対して現像指示する「1コマ現像」と、複数のコマに同時に現像指示する「一括現像」の2つの手法があります。


方式 処理対象 プレビュー表示 その他特徴
1コマ現像 1コマ あり コマごとに詳細な設定が可能
一括現像 複数コマ なし 効率よく一括処理が可能


5.1. 1コマ現像


選択されている1つのコマに対して現像処理と現像結果の保存方法を指定する方法です。



「1コマ現像」をおこなうためには、1つのコマを選択した状態で、「現像設定」サブコントロールまたはツールバーにある アイコンをクリックするか、もしくはメニューから「現像と保存(S)」を選択します。
すると、「1コマ現像」ダイアログが表示されます。このダイアログで、現像結果を保存するファイル指定と、現像の設定をおこないます。

「1コマ現像」ダイアログは「保存ファイル」と「設定」の2つのページに切り替えることができます。
「保存ファイル」のタブを選択すると、現像結果を保存するファイルのフォルダ、ファイル名、ファイルの種類の指定ができます。
「設定」のタブを選択すると、保存結果のプレビュー表示を見ながら、1コマ現像の設定をおこなうことができます。


保存するファイル指定と現像の設定が確定しましたら、[現像]のボタンをクリックして処理を開始します。





(1) 保存ファイル 保存するファイル指定するためのページに切り替えます。
現像結果を保存するファイルのフォルダ、ファイル名、ファイルの種類の指定ができます。
(2) 設定 1コマ現像の設定をおこなうためのページに切り替えます。
保存結果のプレビュー表示を見ながら、1コマ現像の設定をおこなうことができます。
(3) 現像 指定された現像指示を確定して、現像処理をリアルタイム処理で開始します。
現像処理が完了するまで、処理の進捗状況はプログレスバーで表示されます。

5.1.1. 保存ファイル

保存するファイル指定するためのページです。
保存するファイルを格納する場所(=フォルダ)を選択して、保存するファイルのファイル名を指定してください。
ファイルの種類は、JPEG画像(*.jpg)かTIFF画像(*.tif)のいずれかを選択します。JPEG/TIFF画像に関する詳細な設定は、「設定」ページにておこなってください。


5.1.2. 設定

保存結果のプレビュー表示を見ながら、1コマ現像の設定をおこなうためのページです。
ここでの設定は、現像結果の画像そのものや画質に影響するものが多く含まれます。プレビュー表示で効果や影響を確認しながら、適切な現像指示の設定を確定してください。


5.1.2.1. 基本設定

(1) 保存する画像のピクセルサイズ
保存する画像のピクセルサイズを指定します。指定方法には以下の2つの方法があります。

a) 任意のピクセルサイズを指定
保存する画像のピクセルサイズを任意に指定します。現像処理時に画像の拡縮をおこなうことができますので、任意のピクセルサイズを指定することができますが、画像のアスペクトを変更することはできません。
デフォルト値は、基本的には元画像の100%のサイズですが、トリミング設定時に出力サイズ指定が行われている場合はトリミングで指定されたサイズがデフォルトとなっています。
デフォルト値がどのような値であっても、任意のピクセルサイズの指定が可能です。

ピクセルサイズの設定は、エディットボックスの値を直接編集するか、もしくは、ドロップダウンリストから選択しておこないます。ドロップダウンリストには、代表的なピクセルサイズと、過去に使用したピクセルサイズの履歴が用意されています。
前回現像処理した画像と同じサイズで記録したい場合や、他のコマと記録サイズを合わせたい場合にここから選択すると便利です。ただし、ここでリスト表示される保存サイズは、アスペクトが一致するもののみですのでご注意ください。

初期化ボタンをクリックすると、デフォルト値に戻ります。

b) 制限サイズに拡縮


「一括現像」と共通の設定方法です。「5.3.1.3.  保存する画像のピクセルサイズ」を参照してください。


(2) 現像結果保存設定


「一括現像」と共通の設定方法です。「5.3.1.2.  現像結果保存設定」を参照してください。



5.1.2.2. 拡張設定


「一括現像」と共通の設定方法です。「5.3.2.  拡張設定」を参照してください。


5.1.2.3. プレビュー

保存する画像ファイルのイメージを確認することができます。プレビューの表示をおこないながらアンシャープマスクの設定やJPEG(圧縮)設定を変更した場合、その変更がプレビューに反映されるため、結果のイメージを確認しながら設定をおこなうことができます。
プレビューの更新は、アンシャープマスクやJPEGの品質係数を変更すると自動的におこなわれます。プレビュー画像全体の更新が終わるまでには現像処理の時間を要しますが、表示倍率の変更などで画像の一部を表示している場合は部分的に現像処理がおこなわれます。
操作モードと表示倍率の変更はツール・バーもしくはコンテキストメニューからおこないます。プレビュー画面上で右クリックするとコンテキストメニューが表示されます。


5.2. 一括現像


「一括現像」は複数のコマを一括して現像処理する機能です。

あらかじめ現像予約されているコマ、もしくは現在選択されているコマのいずれかを一括現像の処理対象とすることができます。
メニューから[現像(D)]-[現像予約コマの一括現像]を選択するか、[現像(D)]-[選択コマの一括現像]を選択するか、もしくはツール・バーのアイコンをクリックすることで処理を開始します。
ツールバーのアイコンは処理対象コマの選択状態によって自動的に切り替わります。
1つのコマが選択されている場合、 (現像予約コマの一括現像)アイコンが表示されます。
複数コマが選択されている場合、 (選択コマの一括現像)アイコンが表示されます。


5.2.1. 基本設定

ここでは、保存するファイルの種別(JPEGもしくはTIFF)、保存する画像のピクセルサイズ、現像結果保存設定を指定します。

「現像結果保存設定」については「1コマ現像」と共通の設定方法です。「5.3.1.2.  現像結果保存設定」を参照してください。

(1) 保存する画像のピクセルサイズ
保存する画像のピクセルサイズを指定します。指定方法には以下の3つの方法があります。
a) 等倍(100%)
保存する画像のピクセルサイズは、トリミング処理後のピクセルサイズとなります。画像の拡縮は行いません。
トリミング設定時に出力サイズ指定が行われている場合でも、トリミング指定サイズとはなりません。

b) トリミング指定サイズに拡縮
トリミング設定時に出力サイズ指定が行われている場合は、トリミング指定サイズに拡縮します。
トリミングされていない場合や、トリミング設定時に出力サイズ指定が行われていない場合は、等倍(100%)のサイズで記録されます。

c) 制限サイズに拡縮
「1コマ現像」と共通の設定方法です。「5.3.1.3.  保存する画像のピクセルサイズ」を参照してください。

(2) 現像結果保存設定
「1コマ現像」と共通の設定方法です。「5.3.1.2.  現像結果保存設定」を参照してください。

5.2.2. 拡張設定

「1コマ現像」と共通の設定方法です。「5.3.2.  拡張設定」を参照してください。

5.2.3. その他の設定

(1) 現像結果保存フォルダ
以下の3種類が選択可能です。

(1) RAWデータと同一のフォルダ
選択されているRAWデータと同じフォルダに現像結果画像を保存します。
(2) RAWデータの存在するフォルダにサブフォルダを作成する
選択されているRAWデータの保存されているフォルダ内にサブフォルダを作成し、このサブフォルダに現像結果画像を保存します。
(3) 指定したフォルダに保存する
[参照]ボタンから[処理対象Folderの選択]ダイアログを起動し、保存するフォルダを指定します。

(2) ファイル名衝突時の対処方法
保存先に出力ファイルと同じ名前のファイルが存在する場合の対処方法を選択します。
「上書き保存する」を選択すると、既存のファイルは上書きされて失われます。十分に注意してください。

以下の4種類の対処方法が選択可能です。

(1) RAWデータと自動拡張する同一のフォルダ
ベース名を拡張して異なるファイル名を自動生成します。
(2) 確認のダイアログを表示する
指定されたフォルダ内に同一名ファイルが存在する場合に、確認のダイアログを表示します。
ファイル名を決定してください。
(3) 上書き保存する
同一ファイル名が存在する場合、上書き保存します。
(4) スキップする
同一ファイル名が存在する場合、保存せずにスキップします。

ファイルのベース名(拡張子を除いたファイル名)の命名規則は、「5.3.1.2.  現像結果保存設定」にて指定できます。
デフォルトの命名規則は画像処理対象のRAWデータ・ファイルのベース名をそのまま使用して、拡張子をJPGまたはTIFに変更して保存します。


(3) 一括現像後に現像予約マークを消さない
チェックされている場合は、一括現像が完了しても現像予約マークを自動消去しません。
一括現像したかどうかの目印として現像予約マークを活用される場合は、このチェックをはずしてください。


5.3.  現像と保存の設定

ここでは、「1コマ現像」と「一括現像」で共通の設定項目について説明します。


5.3.1.  基本設定


基本設定は、「1コマ現像」と「一括現像」で若干異なりますが、共通に設定できる項目について説明します。


5.3.1.1.  保存ファイル種別

現像結果を保存するファイルの形式を、“JPEG”もしくは“TIFF”のいずれか選択します。
JPEG/TIFF の詳細な設定については、「現像結果保存設定」にておこないます。

5.3.1.2.  現像結果保存設定


JPEGもしくはTIFFの保存形式については、ここで設定することができます。


「現像結果保存設定」には細かな設定項目が数多く存在します。設定項目の全てを設定するためには、「詳細設定」ボタンをクリックして、「現像結果保存設定」ダイアログを呼び出してください。
詳しくは、「9.1. 現像結果保存設定」を参照してください。

ここでは、「保存ファイル種別」で選択された、“JPEG”もしくは“TIFF”いずれかの詳細な設定をおこなうことができます。
ここで設定できる内容は、「詳細設定」にて設定できる内容と同じですので、詳しくは「9.1.1. ファイル種別の設定」をご参照ください。

5.3.1.3.  保存する画像のピクセルサイズ


現像処理結果をファイルに保存する際、画像の拡縮を同時におこなうことができます。拡縮するピクセルサイズの指定方法は「1コマ現像」と「一括現像」で若干異なります。
画像の使用用途に合わせて、最適なピクセルサイズで画像を記録保存することができます。


5.3.1.3.1.  指定サイズにフィット

保存する画像の指定サイズを指定して、指定サイズに合わせたピクセルサイズに画像を拡縮を保存するように設定することができます。


「保存する画像のピクセルサイズ」で、「指定サイズにフィット」を選択してください。指定された制限サイズに内接するピクセルサイズで保存されます。
この設定方式は、「1コマ現像」と「一括現像」のいずれでも設定することが可能です。
特定のディスプレイなどで表示するスライドショー用の画像を生成する場合には、ディスプレイのサイズを入れます。例えば、VGAのディスプレイで表示したい場合には、640x480と指定します。
このようにすると、一括現像された結果のファイルは、必ず640x480に内接する形に縮小されて保存され、スライドショー用としては表示時に拡縮せずに済む最適なサイズとなります。


【指定サイズの縦横と画像の縦横の長辺方向を一致させる】

この設定を有効にすると、拡縮する際の基準となるピクセルサイズの縦横を、拡縮対象の画像の縦横比に応じて自動的に長辺方向が一致するように90°回転して調整します。
例えばピクセルサイズに640x480を指定した場合、横長の画像に対しては640x480に内接するように拡縮サイズが計算され、縦長の画像に対しては480x640に内接するように拡縮サイズが計算されます。

5.3.2.  拡張設定


5.3.2.1.  アンシャープマスク

現像の結果の保存時にアンシャープマスクをかけることができます。アンシャープマスクは現像処理と拡縮処理を施した後の結果に対してかかります。量(%)、半径(pixel)、しきい値(レベル) にてかかり具合を調整することができます。
現像パラメータとして設定するのシャープネスとは別に、現像結果の使用目的や出力形態に応じて追加的なシャープネスを加えたい場合に活用してください。

現像パラメータのシャープネスは、各コマごとに独立に設定するパラメータで、写真ごとの解像感を調整するために用います。
一方このアンシャープマスクはコマごとに設定するものではなく、使用目的や出力形態に応じて設定する各コマ共通のパラメータです。例えば、PCでの閲覧目的で縮小現像する場合に縮小によって損なわれる解像度を補ったり、印刷する場合の色のにじみを考慮してあらかじめシャープネスを追加しておきたい場合などに活用してください。
詳しくは「10.1.10. シャープとアンシャープマスクの使い分けについて」をご参照ください。

5.3.2.1.1. 量

アンシャープマスク処理の適用量を設定します。大きくなるほど、強く処理が施されます。

5.3.2.1.2. 半径

輪郭強調をおこなうエッジの太さを設定します。
大きくすると、エッジが太くなり、小さくすると細くなります。
通常は、 0.5 〜 1.0 程度で設定すると良いでしょう。

5.3.2.1.3. しきい値

小さくすると、エッジの鮮明さにかかわらず輪郭が強調されます。
大きくすると、ある程度以上鮮明なエッジのみが強調されます。
このパラメータは、輪郭強調によりノイズが強調されてしまうのを防ぐ場合に使用します。
通常は、 1 でお使いいただき、ノイズが強調されすぎていると感じる場合には少しずつ大きくして解像感とノイズのバランスをとってください。



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