おかげさまで30年。

2018年、市川ソフトラボラトリーは、創立30年を迎えました。
皆様のご愛顧、ご支援の賜物と心より感謝申しあげます。
これからもより創造力の翼を広げ、挑戦し続けてまいります。
引き続きご愛顧賜りますようお願い申しあげます。

ごあいさつ

30年間で手に入れた最も素晴らしいもの

株式会社市川ソフトラボラトリーは、7月1日に創立30年を迎えました。
この日を迎えられたのは、私たちのソフトウエアをご愛用頂きました皆さまのおかげです。

私たちが創造したソフトウエアを駆使して、ユーザーの皆さまが素晴らしい創造物を生み出す。そして、皆さまと一緒に創造する喜びを共有する。
こんな素晴らしい関係を作れたことが、30年間で手に入れた最も素晴らしいものなのです。

これまで私たちの活動を応援していただいた皆さまに改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
次の30年も暖かく見守っていただき、お力添えいただけますようお願い申し上げます。これからもずっと、私たちとともに「創造」を続けていきましょう。

代表取締役社長 市川芳邦

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30年間で手に入れた最も素晴らしいもの

株式会社市川ソフトラボラトリーは、7月1日に創立30年を迎えました。この日を迎えられたのは、私たちのソフトウエアをご愛用頂きました皆さまのおかげです。30年間、本当にありがとうございました。

当時、学生だった私は、コンピュータに惚れ込んで仲間を巻き込んで創業しました。
この頃、コンピュータサイエンスという言葉はありませんでしたが、コンピュータの可能性を拡げるため、様々な研究をしていきたいと願っていたのです。
社名に、「ラボラトリー(研究所)」という名称を付けたのも、こんな思いからです。

私たちは、とても基礎的なことから研究し始めました。
例えば、負の値だったら正にするという操作、絶対値と言いますが、表計算では、ABS() ですね。ほとんどのプログラミング言語で、あらかじめ用意されているのですが、こんな部分にも手を入れて、自分たちでコーディングしています。ちょっとだけ専門的な表記をすることをお許しください。

私たちの実装は、INT32S Abs(INT32S a){INT32S s = a >> 31;return (a ^ s) - s;}です。
通常は、int abs(int a){if(a<0)return(-a);else return a;}でしょう。
C言語を知らない人にはちんぷんかんぷんだと思いますが、この2つは同じことをします。
しかし、私たちのものは、条件分岐(条件により実行する命令位置を変えること)を行わないという特徴があります。道で言えば分岐がない一本道ですから、高速道路のように高速で走れます。この差は、1回あたり何百万分の1秒ですが、例えば20Mピクセルのデジカメ画像の処理ならば、同じ処理を2000万回繰り返すので、大きな違いとなります。

ここに挙げたのは、ほんの一例ですが、私たちはこんな基礎的なことから始めて、このような工夫を30年分積み重ねてきました。非常に細かなことですが、どのようにコンピュータは働くのかということをちゃんと理解することが想像力を活性化することにつながるからです。おかげで、想像力が源になっているユニークな方法を用いた技術をたくさん開発することができました。

世の中に広がった、私たちの技術

例えば、「金色の色鉛筆を使わなくても、金色を画用紙に描く方法はないだろうか。」とひたすら考えたこともありました。
年賀状ソフトなどで、金色の文字を描けるものを見たことはありませんか?
もちろんプリンタに金色のインクを入れる必要はありません。私たちはこの技術を広く外部に提供しているので、おそらくそれは私たちの金色再現技術によるものです。
なぜ金色に見えるかということを探求しつつ、これを再現できる方法を思いつくには、既存概念の壁を乗り越える想像力が必要でした。素材の質感を表現するには、2次元ではなく、3次元を描く必要があったのです。

証明写真や、プリクラなどで美肌になるのを経験された方もいらっしゃるでしょう。肌の荒れやくすみを除去して美しい肌に撮影できるものです。この機能も、おそらく私たちの美肌化技術によるものです。
この技術は特許出願から20年以上が経過して特許権の存続期間を超えているため、いまでは誰もが自由に利用できます。私たちは、このように定番となった技術を世の中に提供できたことを誇りに思っています。
今後この技術は世界中の技術者により、さらなる改良が行われ、世界中の人の役に立ち続けることでしょう。

他にも、ここではとても書ききれないほど多くの技術を提供してきました。デジタルカメラの色再現を画期的に改善する光源検出技術(AWB)は全国発明表彰も受賞しています。
例えばあなたのスマホの画像が美しいのは、この技術のおかげかも知れません。

人間の感覚をコンピュータに込めて

研究対象としているものは、アルゴリズムやロジックだけではありません。
私たちは、自由度の高い写真加工ができるアプリを販売しています。これを創るためには人間の研究が不可欠でした。

人は、色をどのように感じているのか。そもそも色とは何か。これを工学的な面からだけでなく、感覚的な面からも解き明かすのです。美しいとは、ヌケがいいとは、いったいどういうことなのか。私たちは、このような人間の感覚とコンピュータをどのように結び付けていくかについて研究を続けています。

この分野、特にイメージセンサーの生データ(RAW)からの写真処理を行えるソフトウエアを開発している会社は、カメラメーカーを除くと世界中で数社程度しかありません。日本では、私たち1社のみです。
私たちは、この純国産のソフトウエアを世界中で販売しています。PCソフトウエアの分野で、日本製のものが海外にまで販売されている例はそれほど多くありません。
今後、このソフトウエアに「まごころ」を組み込んで、日本人の心に宿る「おもてなし」の精神を世界に向けて提供していきたいと考えています。

想像から創造へつながるソフトウエアへ。

私たちのソフトウエアに触れていただければ、そこに詰まった30年分のさまざまな努力や情熱を感じていただけるものと思います。
そして、私たちのソフトウエアは、あなたの想像力を刺激し、あなたの創造を手助けしてくれるはずです。

私たちが創造したソフトウエアを駆使して、ユーザーの皆さまが素晴らしい創造物を生み出す。そして、皆さまと一緒に創造する喜びを共有する。こんな素晴らしい関係を作れたことが、30年間で手に入れた最も素晴らしいものなのです。

私たちがソフトウエアをデザインする上で、最も大切にしていることは、ユーザーの想像力をできるだけ制限しないことです。そして、出しゃばらないことです。
この先、「全部自動でやってあげるから、あなたは休んでていいよ。」というアプリや装置が増えていくでしょう。これはとても便利なことです。
しかし、それでも想像の芽だけは摘んではなりません。逆に、想像の芽を伸ばし、存分に想像力を発揮してもらえるようソフトウエアをデザインすべきなのです。
次の30年で、人間の仕事や知的な活動までをもコンピュータやロボットがこなす時代が来ても、たとえシンギュラリティが訪れたとしても、人間が持つ固有の想像力は価値あるものであり続けるでしょう。

私たちは、それこそ人工知能を含むあらゆる技術を使って、あなたの想像力を支援するソフトウエアを創り続けるつもりです。
もしかすると、それはロボットのような人工知能かも知れません。でも恐れないでください。このソフトウエアは、あなたの想像力を尊敬しています。ですから、親切で奥ゆかしい。あなたにしっかりと寄り添って、あなたの想像力が発揮されるのを楽しみにして毎日を過ごすでしょう。

30年間、私たちの活動を応援していただいた皆さまに改めてお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
次の30年も暖かく見守っていただき、お力添えいただけますようお願い申し上げます。
これからもずっと、私たちとともに「創造」を続けていきましょう。

代表取締役社長 市川芳邦

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市川ソフトラボラトリー
30年の歩み

  • 1988創立千葉大学在学時に、コンピューターサークル仲間5人で起業
  • 1990 世界初のデジタルカメラ『Dycam Model 1(Dycam)』が発売
  • 1992 初の自社製品として、Cx486SLC/DLC専用仮想86キャッシュ・コントローラ『x486DLC』を発売
  • 1993まるぱ~ 次世代画材志向ペイントツール ~

    画像処理技術の探求へ歩み始めるきっかけとなった、エポックメイキングな製品。
    PCソフトでありながら、あくまで画材の一つとする考え方のもと、やわらかな描き味にこだわり、従来の概念を打ち破る描画ツールとして大好評を得ました。

  • 1993 撮影用メモリとして「フラッシュメモリー」が登場
  • 1994デイジーアート~ クリエイティブグラフィックツール ~

    Windows 3.1の登場に合わせ、前作「まるぱ」をさらに進化させて誕生したグラフィックツール。
    優れた操作性・機能・表現力の高さが評価され、1994年度の日本ソフトウェア大賞において「Excel ver.5(Microsoft)」や「ファイナルファンタジーVI(スクウェア)」などを押さえて大賞を受賞しました。

  • 1995 コンパクトデジタルカメラ「QV-10(カシオ)」が空前の大ヒット。
  • 1996 本社を海浜幕張(現在地)に移転
  • 1996デイジーコラージュ~ デジカメ画像編集ソフト ~

    デジタルカメラの普及が拡大する中で、パソコンの特別な知識がない初心者でも扱える操作性を実現し、オリジナルのコラージュ写真を使った年賀状などが簡単に作成可能に。
    誰でも気軽にデジタル写真を楽しめる文化が生まれ、画像処理ソフトが隆盛を極めた時期であり、テレビ東京系「たけしの誰でもピカソ」などのTV番組をはじめ、当時数多くのメディアでも紹介されました。

  • 1998 千葉県ベンチャー企業経営者表彰・入賞
    「デイジーコラージュ」 中小企業優秀新技術・新製品賞の優良賞受賞
  • 2000 "携帯電話で写真を撮ってメールで送る"文化が生まれ、「写メ」という言葉が流行する。
  • 2000 教育事業に参入 「デイジーミラクルスタンプ.スクール」を発売
  • 2001デイジー立体金筆~ 輝く文字の年賀状作成ソフト ~

    金属やガラスで作られた物体のように立体的なロゴを作成するソフト。
    各種はがきに対応したテンプレートや、連名対応や郵便番号から市町村検索ができる宛名管理など機能満載。デジタル写真を使ったオリジナルの年賀状作りなどに一役買うなど人気を博しました。

  • 2002 国内デジタルカメラ総出荷台数がフィルムカメラ市場を上回る
  • 2002 教育市場向けソフトウェアの導入実績が小・中・高等学校合わせて400校を達成
  • 2004SILKYPIX Developer Studio~ デジタル写真現像ソフト ~

    国産メーカーとしては唯一の汎用RAW現像ソフトとして販売開始。
    特許技術のオートホワイトバランスを搭載し、プロからアマチュア写真家まで数多くのユーザーからの支持のもと、画像処理ソフトで確固たる地位を築きました。
    2007年にはJPEG専用版、水中写真専用版、2011年からは機能を拡張したプロフェッショナル版を発売するなど、多彩なバリエーション展開で、現在でも当社の主力製品となっています。また、汎用RAW現像ソフトとしてだけではなく、これまでに沢山の企業様からカメラやレンズの専用RAW現像ソフトとしてご採用をいただいております。

    カシオ計算機株式会社 / 株式会社タムロン / パナソニック株式会社
    富士フイルム株式会社 / リコーイメージング株式会社 / SAMSUNG

    (順不同・敬称略)

  • 2006 教育市場向けソフトウェアの導入実績が小・中・高等学校合わせて1,000校を達成
  • 2007 「FRANZIS」との代理店契約締結、ヨーロッパ圏への販売経路を拡大
  • 2008 初のミラーレス一眼カメラ『ルミックスG1(Panasonic)』が発売
    『iPhone 3G(Apple)』が発売
  • 2010 スマートフォンの総出荷台数が、デジタルカメラ市場を上回る
  • 2011 「SILKYPIXオートホワイトバランス」 平成23年度 21世紀発明奨励賞受賞
  • 2011 教育市場向けソフトウェアの導入実績が小・中・高等学校合わせて5,000校を達成
  • 2012 代表取締役社長 市川芳邦 平成24年度 文部科学大臣賞受賞
  • 2013絵画カメラ by SILKYPIX

    自社初のiOS向けアプリ製品として、iPhoneのカメラで『撮る』だけで写真が絵画風になる「絵画カメラ by SILKYPIX」を発売。
    SILKYPIXの画像処理技術を応用した、味付けの異なるセットを10種搭載し、様々な絵画風写真を楽しめます。

  • 2014 教育市場向けソフトウェアの導入実績が小・中・高等学校合わせて7,000校を達成
  • 2015 「Mirye Software」との代理店契約締結、北米圏への販売経路を拡大
  • 2017SILKYPIX Shot

    海外での自社製品PRキャンペーンの一環として、無料で公開したiOSデバイス用RAW撮影アプリ。iPhone 7以降で撮影したRAWデータはSILKYPIX各製品で編集可能なのでスマートフォンと連動したRAW現像を楽しめます。
    またアプリ内でもマニュアルでシャッタースピード、ISO感度、フォーカス、ホワイトバランス調節ができ、グリッドや水準器も表示が可能です。

  • 2018おかげさまで30周年を迎えました。