SILKYPIX® Developer Studio Pro8 / SILKYPIX® Developer Studio 8SOFTWARE MANUAL
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8. ファイル操作と印刷

本ソフトウェアでは、サムネイル表示モードもしくはコンビネーション表示モードで表示しているコマを削除、コピー、移動する操作をサポートしています。

8.1. 削除の手順


コマを削除するには、削除予約したコマを削除する方法と、選択したコマを削除する方法があります。
いずれの方法でも、初期の動作としてコマはゴミ箱へ移動されます。 つまり、コマは完全に消去されず、後でゴミ箱から元に戻すことができます。(*)
完全に削除したい場合は、[Shift]キーを押しながらメニューやショートカットキーからコマンドを実行してください。
削除の操作対象となるファイルについては、「8.3. 削除、コピー、移動の操作対象となるファイルについて」を参照してください。

* 外付けのHDDやネットワークドライブなど、ゴミ箱が設置されていないドライブのファイルはゴミ箱に移動することができずに削除されます。 ご注意ください。

8.1.1. 削除予約コマの削除

コマを削除する1つの方法として、最初に削除対象のコマに削除予約のマークを付けて、次に削除予約されたコマを一括して削除する方法があります。

この方法は、削除対象とするコマをじっくりと選別しながら作業する場合に活用してください。

削除予約を行うには、サムネイル表示上でもプレビュー・ウィンドウでも右クリックによるコンテキスト・メニューから[削除予約]を選択しておこないます。
複数選択しているコマに一括して削除予約を行うには、コンテキスト・メニューから[予約・マークの設定]を選択してください。

削除予約とは、コマに対して削除用のマークをつける操作で、この時点ではまだファイルは削除されません。

削除したいコマを削除予約した後で、[ファイル(F)]-[削除予約コマの削除]を実行することで、削除予約コマはゴミ箱へ移動されます。

この時に同時に[Shift]キーを押していると、ファイルはゴミ箱に移動されるのではなく、完全に削除されます。

8.1.2. 選択コマの削除

削除したいコマのサムネイルを選択した後で、[ファイル(F)]-[選択コマの削除]を実行するか [Delete]キーを押すことで、選択コマがゴミ箱へ移されます。

この時に同時に[Shift]キーを押していると、ファイルはゴミ箱に移動されるのではなく、完全に削除されます。


8.2. コピー・移動の手順


コマをコピー・移動するには、コピー・移動予約したコマをコピー・移動する方法と、選択したコマをコピー・移動する方法があります。
コピー・移動の操作対象となるファイルについては、「8.3. 削除、コピー、移動の操作対象となるファイルについて」を参照してください。

8.2.1. コピー・移動予約コマのコピー・移動

コマを他のフォルダにコピーまたは、移動する1つの方法として、最初に対象のコマにコピー・移動予約のマークを付けて、次にコピー・移動予約されたコマを一括してコピー・移動する方法があります。
この方法は、コピー・移動対象とするコマをじっくりと選別しながら作業する場合に活用してください。

コピー・移動予約とは、コマに対してコピー・移動用のマークをつける操作で、この時点ではまだファイルはコピー・移動されません。

予約をおこなったコマを移動するには、[ファイル(F)]-[移動予約コマの移動(M)]を実行し、移動先のフォルダを指定することで、コマの移動がおこなわれます。

予約をおこなったコマをコピーするには、[ファイル(F)]-[コピー予約コマのコピー(C)]を実行し、コピー先のフォルダを指定することで、コマのコピーがおこなわれます。

8.2.2. 選択コマのコピー・移動

選択したコマをコピー、移動するには、[ファイル(F)]-[選択コマのコピー]または[選択コマの移動]を実行し、コピー、移動先のフォルダを指定することで、コマのコピー、移動がおこなわれます。

選択したコマのコピー・移動は、選択中のサムネイルをドラッグし、フォルダツリーへドロップすることでもおこなえます。
コピー・移動先のフォルダが同一ボリューム内のフォルダであれば、キー操作なしのドラッグで移動、[Ctrl]キーを押しながらのドラッグでコピーとなります。
コピー・移動先のフォルダが異なるボリューム上にある場合は、キー操作なしのドラッグでコピー、[Shift]キーを押しながらのドラッグで移動となります。


8.3. 削除、コピー、移動の操作対象となるファイルについて


本ソフトウェアでは、ほとんどのデジタルカメラが採用している DCF規格との互換性のために、ベース名が同一の複数のファイルを同一のコマとして扱います。
例えば、IMAG0001.RAW と IMAG0001.JPG と IMAG0001.THM と IMAG0001.WAV が同じフォルダに存在する場合には、このコマを操作する際に、この4つのファイルをセットで扱います。
つまり、IMAG0001 のコマを削除する場合には、この4つのファイルが削除され、コピーや移動の場合にも4つをセットで移動、コピーします。
ただし、機能設定の「同名ファイルをグループとして扱う」が無効な場合は、画像ファイル(RAWデータ, JPEG/TIFF画像)のみが操作対象となります。

DCF規格では、このようにベース名が同一のファイルをセットで扱うように規定されており、本ソフトウェアではDCFに準拠してファイル操作をおこなっております。
この規格に準拠しているカメラは、記録メディアに、例えば、以下のようにファイルを作ります。

IMAG0002.RAW ... RAW ファイル
IMAG0002.JPG ... RAW と同時記録された JPG ファイル
IMAG0002.THM ... サムネイルファイル
IMAG0002.WAV ... そのコマに関連づけられた音声ファイル

また、本ソフトウェア独自の処理として、"SILKYPIX® Developer Studio Pro8 / SILKYPIX® Developer Studio 8"が作成する作業用のファイルも同時にファイルのセットの1つとみなして処理します。
本ソフトウェアでは、現像パラメータを、
IMAG0002.RAW.8.SPD
というファイル名で"SILKYPIX_DS"サブフォルダに記録保存します。これらの"SILKYPIX_DS"サブフォルダに作成されるファイルもファイル操作の対象となります。

一時ファイルも削除、コピー、移動の操作対象となります。拡張子が「.spi」というファイルを同時に削除、コピー、移動することがあります。これが一時ファイルです。一時ファイルはテンポラリ・フォルダ内で削除、コピー、移動を行います。
これにより、例えばコピー、移動の際は一時ファイルの再作成を行うことなくコピー、移動後も利用します。

本ソフトウェア以外のユーティリティなどでファイルの移動やコピーをおこなった場合は、"SILKYPIX_DS"以下のファイルがセットで扱われませんので、そのコマに付帯している現像パラメータがコピーされない点にご注意ください。

*スポッティングツールを使用した場合は「.SPF」、部分補正ツールのブラシを使用した場合は「.SPB」という拡張子のファイルが同時に生成され、これらのファイルもファイル操作の対象となります。


8.4. 名前の変更/選択コマの一括リネーム


編集対象画像のファイル名を変更する機能で次の2つの方法があります。

(1) 名前の変更
サムネイル表示モードもしくはコンビネーション表示モードで1枚の画像を選択している場合に使用できます。

(2) 選択コマの一括リネーム
サムネイル表示モードもしくはコンビネーション表示モードで複数枚の画像を選択している場合に使用できます。

「名前の変更」や「選択コマの一括リネーム」でファイル名を変更する場合、次の規則に従ってファイル名の変更をおこないます。

(1) 変更できるファイル名はベース名(拡張子を含まない部分)のみで、拡張子は変更できません。
(2) 同一フォルダに存在する同一ベース名で拡張子のみが違うファイルは一緒にリネームされます。
ただし、機能設定の「同名ファイルをグループとして扱う」が無効な場合は、画像ファイル(RAWデータ, JPEG/TIFF画像)のみが操作対象となります。

8.4.1. 名前の変更

サムネイル表示で1つのコマが選択されている場合に、右クリックでコンテキスト・メニューを表示して、[名前の変更(M)]を選択すると「名前の変更」ダイアログが表示されます。

このコントロールに変更したいベース名を入力することでファイル名を変更できます。

8.4.2. 選択コマの一括リネーム

サムネイル表示で画像が選択されている状態で、メニューの[ファイル(F)]-[選択コマの一括リネーム]を選択するか、

もしくは右クリックでコンテキスト・メニューを表示して[選択コマの一括リネーム]を選択すると、「選択コマの一括リネーム」のダイアログが表示されます。このダイアログに変更したいベース名を入力することでフォルダ内の同じベース名を持つファイルを一括で変更できます。

(1) 命名規則の設定
ベース名は[領域A][領域B][領域C]の3つ部分に分けて指定します。
[領域A] 任意の文字列を指定します。 コントロール文字の使用ができます。(※)
[領域B] 用意された文字列から選択して指名します。
[領域C] 連番の桁数と最初の数字を指定します。

領域Aにはコントロール文字の使用が可能で、[ベース][焦点距離][F値][Shutter][ISO感度][年月日][時分秒]のボタンをクリックすると対応するコントロール文字が自動的に入力されます。
[初期化]ボタンをクリックすると領域Aは初期化されます。コントロール文字は命名規則に従って直接キーボードから入力することもできます。

一括リネームの初期値に使用可能なコントロール文字(現像結果保存ファイルの初期値に使用可能なコントロール文字と同一です)
%NRAWデータファイルのベース名(拡張子を除いたファイル名)
%L焦点距離
%FF値
%Tシャッター速度
%IISO感度
%Y撮影日時-年(2桁)
%y撮影日時-年(4桁)
%M撮影日時-月
%D撮影日時-日
%h撮影日時-時
%m撮影日時-分
%s撮影日時-秒
%%'%' の記述方法

(2) 同一ファイル名の処理
リネーム後のファイル名が既に存在する場合にファイル名を自動的に拡張するか、毎回確認のダイアログを表示するか選択します。

(3) 拡張子の活字ケース
拡張子の大文字、小文字の指定です。現状から変更しないか、もしくは大文字、小文字に変換するかを指定します。


「複数ファイルの一括リネーム」ダイアログ



8.5. 印刷


選択されているコマをプリンタで印刷する機能です。

1枚の用紙に1枚の画像を印刷する通常印刷と、1枚の用紙に複数の画像を印刷するコンタクトシートがあります。

メニューから[ファイル(F)]-[印刷(P)]を選択してください。印刷ダイアログが表示されます。



8.5.1. 基本設定

8.5.1.1. 印刷形式

印刷形式を設定します。1枚の用紙に1枚の画像を印刷する通常印刷、1枚の用紙に複数の画像を印刷するコンタクトシートがあります。
コンタクトシートは、縦横のコマ数比が 1:1、4:3、3:2、16:9 の種類があります。

印刷プレビューの内、白い範囲が現在設定されている用紙に対して、印刷がおこなえる「印刷可能領域」です。

用紙を縁取るように表示される斜線の範囲は、プリンタで設定されている「フチ」です。
「フチ」は、使用されるプリンタによって指定されている範囲のため、この範囲には印刷はおこなえません。
なお、プリンタのプロパティで「フチなし」に設定の変更をおこなうと、この範囲も「印刷可能領域」となります。

通常印刷では、「印刷可能領域」内に画像の印刷範囲を薄橙色の「印刷範囲フレーム」で表示します。
コンタクトシートでは、各コマごとに藤色の「印刷範囲フレーム」で表示します。


通常印刷

コンタクトシート (4:3)


【通常印刷の場合の設定】

余白
チェックした場合、印刷可能領域と印刷範囲フレームとの余白部分に色を付けることができます。
./img/ico_print_03.jpg をクリックすると、「色の選択」ウインドウが起動します。 スライダー、またはカラーサークルで色を調整したら、[OK]ボタンをクリックして、色を決定します。


チェックした場合、印刷範囲フレーム内の画像に枠線を付けることができます。
./img/ico_print_03.jpg をクリックすると、「色の選択」ウインドウが起動します。
スライダー、またはカラーサークルで色を調整したら、[OK]ボタンをクリックして、色を決定します。
枠線の太さは、mm単位で指定してください。

【コンタクトシートの場合の設定】

横方向コマ数
コンタクトシートを選択した場合、横方向のコマ数を設定することにより印刷するコマ数を設定します。 横方向のコマ数は 2 ~ 20 コマを選択できます。

文字の最大高さ
文字の大きさは1コマあたりの印刷領域の大きさに合わせて自動的に調整されますが、ここで大きさの上限値を設定することができます。

印刷文字列の設定
画像の下部に配置する項目を設定します。
初期の設定では、「ファイル名」、ファイルの撮影日時または更新日時(「年(4桁)」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」)、「F値」、「シャッター(Shutter)速度」、および「ISO感度」を右図のように3段に印字します。

初期化
./img/ico_print_02.jpg をクリックすると、設定した印字項目を初期の状態に戻します。

8.5.1.1.1. コンタクトシートの表示項目の編集

「印刷文字列の設定」ウインドウを起動して、コンタクトシートへ表示する文字を設定します。

(1) ./img/ico_print_01.jpgをクリックして、「印刷文字列の設定」ウインドウを起動します。
(2) ウインドウ左下部のエディットボックスの内、使用する項目を配置する位置をクリックしてから、使用する項目のボタンをクリックします。
(3) (1)で選択した項目は、エディットボックス内に、コントロール文字で表示します。
表示できるコントロール文字は以下の通りです。

【コントロール文字一覧】

%L 焦点距離
%F F値
%T Shutter (シャッター速度)
%I ISO感度
%l レンズ情報
%c カメラのモデル名
%Y 撮影日時-年(2桁)
%y 撮影日時-年(4桁)
%M 撮影日時-月
%D 撮影日時-日
%h 撮影日時-時
%m 撮影日時-分
%s 撮影日時-秒
%n ファイル名
%C コメント
%t タイトル

(4) エディットボックスでは、項目のボタンによる設定以外に、直接文字を入力することにより、その文字列を表示することも可能です。
(5) 選択した項目を初期の状態に戻す場合には、./img/ico_print_02.jpg をクリックしてください。
(6) エディットボックスの上段の印刷文字列のイメージの内容でよろしければ、[OK]ボタンをクリックして、決定します。
(7) [キャンセル]ボタンをクリックすると、操作した内容を反映せずに、「印刷」ウインドウへ戻ります。



8.5.1.2. 印刷範囲

印刷領域を設定します。画像は印刷領域内に印刷されます。
通常印刷の時のみ設定できます。

左上端 印刷する左上端からのオフセットをmm単位で指定してください。
大きさ 印刷領域の大きさをmm単位で指定してください。
印刷可能領域全体印刷領域を印刷可能領域全体にします。
センタリング 印刷領域を印刷可能領域内にセンタリングします。

8.5.1.3. 画像配置

8.5.1.3.1. 自動配置

印刷領域内への画像の配置方法を設定します。

(1) 「余白が少なくなるように自動回転する」
余白が少なくなるように、自動で画像を回転して配置します。

(2) 「余白がでないようにトリミングする」
チェックしていない場合、画像を印刷可能領域に内接Fittingして配置します。
チェックした場合、余白がでないように、印刷可能領域に外接Fittingして配置します。

8.5.1.3.2. 任意配置

印刷領域内への画像の配置位置を指定します。

コントロールで、拡大率やオフセットの数値を変更して配置位置の調整をおこなうこともできますが、プレビュー画像を直接操作することで、感覚的に見た目で配置の調整をおこなうことができます。

【プレビュー画像での操作】 ズームツールと同様の操作がおこなえます。
オフセットの調整 画像をドラッグして移動する。
拡大率の調整 [Shift]キー+ドラッグで拡大率を調整する。

8.5.1.4. 印刷イメージ

印刷形式の設定が「通常印刷」の場合、印刷イメージ上に表示する印刷範囲フレームのアンカーをドラッグすることにより、印刷イメージ上で印刷範囲を直接調整することができます。



8.5.1.5. その他

解像度 ここで指定された印刷解像度に合わせて画像を拡縮してプリンタへ送ります。大きな値を設定した場合は、大きく拡大した画像をプリンタへ送ることになります。
解像度は高いほど印刷の品質は上がりますが、必要なデータサイズも大きくなり、使用するメモリ量も増えます。
印刷部数 印刷する部数を指定します。
プリンタ設定 [プリンタ設定]ボタンを押すと、OS標準の「プリンタの設定」ダイアログが表示されます。

8.5.2. 拡張設定1

8.5.2.1. カラーマネージメント

SILKYPIXの印刷用カラーマネージメントには2つの方式があります。

「カラーマネージメント」がよくわからない場合は、「プリンタ側でカラーマネージメント」を選択して、プリントカラースペースは"sRGB"を選択してください。
これはカラーマネージメントをおこなわない場合の標準的な設定です。

カラーマネージメントについては、「10.4.5.5. プリント出力のカラーマネージメント」も合わせてご参照ください。

8.5.2.1.1. カラーマネージメントを行う

SILKYPIXでプリントカラースペースに変換したデータをプリンタに送って印刷する方法です。
この方式で印刷する場合は、プリンタ側で色補正などの処理をおこなってはいけません。 「色補正なし」などのモードを選択して、プリンタ側で色変換がおこなわれないように注意してください。
プリンタの設定についてはプリンタのマニュアルをご参照ください。

適切な「プリントカラースペース」の選択がおこなえるPC環境では、最も簡単にカラーマネージメントをおこなう方法です。

(1) 作業用カラースペース
SILKYPIXが現像処理をおこなうカラースペースを指定します。
sRGBもしくはAdobe RGBから選択してください。

(2) プリントカラースペース
OSにインストールされているカラースペース(=カラープロファイル)の一覧を表示します。 そこから適切なカラースペースを選択してください。
ご使用になるプリンタとプリント用紙の組み合わせで、選択すべきカラースペースが決定されます。
ただし、SILKYPIXで使用可能なプリントカラースペースはRGBでなければなりません。 CMYKなどのRGB以外のカラースペースは使用できませんのでご注意ください。(*1)

プリンタの機種にもよりますが、プリンタメーカーはプリンタ用のカラープロファイル(=ICCプロファイル)を提供している場合があります。
また、プリンタ用紙メーカーが、プリンタ用紙とプリンタの組み合わせのカラープロファイルを提供している場合もあります。
専用のキャリブレーション・ツールなどで作成されたカラープロファイルもご使用いただけます。(*2)

カラープロファイルは先にOSにインストールされていなければなりません。
Windows(7 / 8.1 / 10)にカラープロファイルをインストールする場合は、エクスプローラでカラープロファイルを選択して、右クリックでコンテキスト・メニューを表示します。 そこで、「プロファイルのインストール」を選択してください。

*1 一般に、家庭用のインクジェットプリンタ用にメーカーが提供しているカラープロファイルのカラースペースはRGBで、問題なくご利用いただけます。
*2 SILKYPIXはOSに搭載されたカラーマネージメント機能を使用してカラーマネージメントをおこないます。 そのため、OSがサポートしない形式のカラープロファイルはSILKYPIXではご使用になれません。
詳しくは、「SILKYPIXで対応可能なカラープロファイルについて」をご参照ください。


(3) マッチング方法
SILKYPIXの現像結果を指定するプリントカラースペースに変換する場合、必ずしも元の色がそのまま保たれるわけではありません。
SILKYPIXの現像結果は、作業用カラースペースで指定されたsRGBもしくはAdobe RGBのカラースペースで作成されますが、このカラースペースで表現できる色がプリントカラースペースでは再現不可能な色の場合もあります。
そこで、異なるカラースペースの場合には色変換がおこなわれるのですが、色変換は以下の4つのマッチング方法で結果が異なります。
写真画像の印刷では、一般に「知覚的」、または「相対的な色域を保持」が使用されます。 写真の色合いや、目的に応じて適切なマッチング方法を選択してください。
知覚的 階調や色相の連続性といった色の視覚的な関係を重視して色変換します。 色の絶対座標は変更されますが、視覚的に自然に仕上がります。
彩度 彩度を重視して色変換します。 色の再現性よりも、高い彩度の維持を目的とする場合に選択します。
相対的な色域を保持
(初期値)
色相と階調性を重視して、色の相対関係を維持するように色変換をおこないます。 指定するプリントカラースペースで表現できない色は、再現可能な最も近い色に調整されます。
絶対的な色域を保持 色の絶対座標を維持したまま色変換します。 指定するプリントカラースペースで表現できない色はクリップされます。絶対色を正しく表現する場合に選択します。

8.5.2.1.2. プリンタ側でカラーマネージメント

この方式を選択した場合でもSILKYPIXでカラーマネージメントはおこなわれます。 SILKYPIXの出力は、sRGBもしくはAdobe RGBのカラースペースに変換されます。

次のような場合にこのモードを選択してください。

(1) 「カラーマネージメント」についてよくわからない場合
(2) プリンタの「自動補正」機能などをご利用になる場合
(3) ご使用になるプリンタ用のカラープロファイルがメーカーから提供されていない場合
(4) 業務用などの特殊なプリンタで、プリントカラースペースがRGB以外であるためにSILKYPIXでは対応できない場合

この方式では、SILKYPIXは sRGB もしくは Adobe RGB の指定されたプリントカラースペースに変換した画像をプリンタに送ります。
良くわからない場合は、「プリントカラースペース」は"sRGB"を選択してください。(*1)

この方式で適切なカラーマネージメントをおこなう場合には、プリンタ側で適切なカラーマネージメントの設定をおこなう必要があります。
プリンタの設定についてはプリンタのマニュアルをご参照ください。

*1 一般に家庭用のインクジェットプリンタはsRGBの画像を印刷するように調整されています。
SILKYPIXのプリントカラースペースを"Adobe RGB"に設定した場合は、必ずプリンタ側も適切に設定してください。
プリンタ側が"sRGB"の設定で、SILKYPIXのプリントカラースペースを"Adobe RGB"に設定すると、プリントの色が淡くなってしまいます。

8.5.3. 拡張設定2

拡張設定2は、通常印刷を選択した場合のみ有効となります。

8.5.3.1. アンシャープマスク

通常印刷の場合にのみ有効となる調整項目で、印刷時に追加的なアンシャープマスク(輪郭強調処理:シャープネス処理の一種)をおこないたい場合に使用します。

現像パラメータのシャープは、写真ごとに解像感を調整するために使用し、コマごとに独立した値を設定します。

それに対して、ここで設定する「アンシャープマスク」は、同時に印刷処理するすべてのコマに同一の効果を与えるもので、印刷処理の工程で発生するインクのにじみなどによる解像感の低下を補うためのものです。
詳しくは、「10.1.9. 現像パラメータのシャープと現像・印刷時のアンシャープマスクの使い分けについて」をご参照ください。

調整項目は3種類あり、量(%)、半径(pixel)、しきい値(レベル) にてかかり具合を調整することができます。

アンシャープマスク処理の適用量を設定します。大きくなるほど、強く処理が施されます。
半径 輪郭強調をおこなうエッジの太さを設定します。 大きくすると、エッジが太くなり、小さくすると細くなります。
通常は、0.5 ~ 1.5 程度で設定すると良いでしょう。
しきい値小さくすると、エッジの鮮明さにかかわらず輪郭が強調されます。 大きくすると、ある程度以上鮮明なエッジのみが強調されます。
このパラメータは、アンシャープマスクによりノイズが強調されてしまうのを防ぐ場合に使用します。
通常は、 1 でお使いいただき、ノイズが強調されすぎていると感じる場合には少しずつ大きくして解像感とノイズのバランスをとってください。

8.5.3.2. 日付焼き込み

通常印刷の場合にのみ有効となる項目で、印刷に撮影日時を焼き込むことができます。
撮影日時以外に、画像情報や任意の文字列、クレジット画像などの画像も印刷に焼き込むことができます。

用意されている日付焼き込みデータを選択することで、撮影日時や画像情報の焼き込みをおこなえます。

お客様が用意されたクレジット画像を焼き込む場合には、「日付焼き込みデータ」の作成が必要です。
焼き込む画像にはJPEGまたはTIFF画像のみが指定できます。 透過色情報付きのTIFFに対応しておりますので、半透明な画像の焼き込みにも対応できます。

(1) 焼き込みを
おこなうデータ
どの日付焼き込みデータを使うか選択します。
(2) データ設定 日付焼き込みデータの設定をおこないます。
詳しくは「9.6. 日付焼き込みデータ設定」をご参照ください。
(3) 合成モード 日付焼き込みデータをどのように合成するかを設定します。
印刷、1コマ現像の場合はプレビュー表示を見ながら適切な合成モードを選択してください。
自動サイズ調整 合成する文字や画像を、出力する印刷の画像サイズに合わせて拡縮します。
相対的な大きさを保持するように調整されます。
通常はこの設定を使用します。
固定サイズで合成合成する文字や画像は設定した大きさのままで合成します。
印刷に焼き込む文字の大きさを固定する場合などに使用します。
焼き込まれる文字や画像の位置が適切でない場合は、日付焼き込みデータを編集してください。


8.6. 複数画像の印刷イメージの確認


複数コマを選択して印刷処理をおこなう場合、印刷出力が複数ページとなる場合があります。
この場合、[ページ]ボタンでページを切り替えて、プレビューで印刷イメージを確認できます。



8.7. プラグイン


SILKYPIX® Developer Studio Pro8 / SILKYPIX® Developer Studio 8 はプラグインに対応しています。
別途用意されたプラグインをインストールすると、ツール・バーにプラグインアイコン img/ico_plugin.jpg が表示されます。メニューには[ファイル(F)]-[プラグイン]が追加されます。
サムネイル表示でコマを選択し、プラグインを選択する事で、選択したコマをプラグイン側の拡張された機能で処理させる事ができます。


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