SILKYPIX®SOFTWARE MANUAL
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11.テクニック編

11.1 プレビュー更新の高速化
    本ソフトウェアでは、プレビュー表示の高速化のために、まず簡易プレビュー表示を行い、バックグラウンドで本現像を進行させ、本現像結果が確定した領域から逐次表示を差し替えていきます。
    しかし、本現像結果で確認したい現像パラメータを調整する場合には、本現像プレビュー表示が行われるまで待たなければなりません。

    ここでは、本現像プレビュー表示が完了するまでの時間を短縮するテクニックについて述べます。

    @ ウィンドウを小さくする。
      ウインドウを小さくして、写真の一部分が表示されるようにすると、本現像を行わなければならない領域が小さくなります。
      本ソフトウェアでは、プレビュー表示エリア内のみを部分的に現像してプレビュー更新を行うように設計されているため、ウインドウを小さくし、注目している部分のみが表示されるようにすると、本現像プレビュー表示完了までの時間を短縮することができます。

    A 表示倍率を高くする。
      表示倍率を高くすると、表示される絵の範囲が減り、@と同様の効果があり、注目している部分を大きく拡大して表示できますのでお勧めです。

    B 偽色抑制のパラメータを0にする。
    C [現像]タブにある「現像精度」スライダーを高速側にする。
      本ソフトウェアに使用している現像ロジック(SILKYPIX® 1.6 現像エンジン)は、連続的に現像精度を変更できます。ほとんどの場合、現像精度を高めた(高品質側)方が良い結果となりますが、処理は重くなります。参考:11.4 現像精度と画質の関係
      そこで、他のパラメータ調整中は、偽色抑制同様に高速側に設定することで、本現像プレビュー表示完了までの時間を短縮することができます。

11.2 カメラでの露出補正と、現像時の露出補正の違いと応用
    カメラでの露出補正は、イメージセンサーに与える光量そのものを変化させます。
    例えば、+1EV の露出補正を行うと、イメージセンサーに入る光量は2倍になります。
    一方、現像時の露出補正は、RAW ファイルに記録されている光量を2倍にして処理します。
    効果としては同様ですが、現像時の露出補正は、ノイズ成分までも2倍になるため絵が荒れやすくなります。
    逆に現像時の露出補正にはメリットもあります。もし、カメラで露出補正をして、それが多すぎてハイライトが飛びすぎてしまった場合を考えてください。
    イメージセンサーの限界を超えて飛んでしまった部分は、RAW といえどもその部分の情報はなく、現像時に減感現像しても救うことはできません。
    カメラによっては1/2EV程度の減感現像が可能で、飛んでしまった部分を救うことができる場合があります。詳しくは(---> 13.1 減感現像の可能性)をご覧いただくとして、普通は不可能と理解してください。
    この場合などは、現像時増感が有利になるのです。
    撮影の忙しい時に露出を決定するのではなく、後でゆっくり現像時にやればいいのですから。
    よく、「RAW はアンダーに撮れ」というのはそのためです。詳しくは、(---> 12.2 RAWはアンダーに撮れって本当?)をご参照ください。
    逆光や難しい撮影条件で露出補正量を決定しかねたら、あるいは決定するのに時間がかかってシャッターチャンスを逃しそうなら、飛ばない程度のアンダー目に露出補正をして撮影してしまいましょう。参考として(---> 12.1 逆光無補正撮影) もご覧ください。

    さらに応用として、カメラで ISO 感度を上げて撮影しないといけないような暗い被写体を、わざとアンダーにとってシャッター速度や、絞り値を稼ぐという大胆な撮影も考えられます。
    (---> 11.3 カメラでの ISO 感度調整と、現像時の露出補正の違いと応用) をご覧ください。

11.3 カメラでの ISO 感度調整と、現像時の露出補正の違いと応用
    カメラでの ISO 感度調整は、通常はイメージセンサーから出力された電圧をデジタル化する前に変化させます。
    例えば、ISO 感度を倍にすると、イメージセンサーからの情報をサンプリング前に2倍にしてサンプリングします。
    あるいは、サンプリング後に2倍にします。
    このため、撮影時の露出補正と異なり、現像時増感とほぼ同一の結果となります。
    そう、ISO 400 で撮影するのと、ISO 200 で1段アンダーに撮影するのはほぼ同一なのです。
    イメージセンサーからの情報がカメラで2倍にされて記録されるか、現像時に2倍になるかの違いしかありません。
    ですから、この場合には、現像時増感のメリットが大きくなります。
    ISO 400 にして撮影した場合、もし飛んでしまったら、それは修正不可能です。しかし、ISO 200 で1段アンダーにして撮影していれば救える可能性は高くなります。

    カメラで ISO 感度を上げて撮影しないといけないような暗い被写体を、わざとアンダーにとってシャッター速度や、絞り値を稼ぐという大胆な撮影が可能になるのです。(---> 12.3 露出補正ダイヤルのISO感度ダイヤル化) をご覧ください。

11.4 現像精度と画質の関係
    本ソフトウェアに搭載しているデモザイクアルゴリズムは、デモザイク時の分解精度を連続的に変化させることができるようになっています。
    これを現像精度と呼んでいます。
    現像精度を上げれば、分解が精緻となり、その分現像時間が長くなります。
    現像精度を下げれば、分解の精緻さは失われますが、現像時間は短くなります。
    ですから、良い品質を得る場合には、現像精度をある程度大きな値(80程度)にしておくことをお勧めします。
    現像精度は高ければ高い程、良い絵を生成すると考えて、ほぼ間違いありませんが、ノイズの多い映像では、逆にノイズを目立たせてしまう結果となる場合があります。
    このような場合には、現像精度を低く設定してください。



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