SILKYPIX®SOFTWARE MANUAL
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12.超ハイテクニック編


12.1 減感現像の可能性
    RAW データ上で飛んでしまっている部分は、現像時に減感現像を行ってもディティールはでてきません。
    しかし、カメラによっては、露出補正量 0 で真っ白に再現される領域よりもさらに明るい領域まで RAW データに記録しているものがあります。
    お使いになっているカメラがそうなっているかどうかを調べるのは、本ソフトウェアを使って以下のような実験をしてみると分かります。
    連続的に明るくなっているディティールのあるものを明るい部分が飛ぶように撮影する。
    本ソフトウェアを使用して、露出補正をマイナス側に移動していく、ここで露出補正0で飛んでいた部分にディティールが見えてくれば、あなたの
    カメラは、真っ白よりも明るい部分を記録しています。
    この実験を注意深く行うと、ある一定以上の露出補正値では、ハイライトのディティールが出てこない限界点をみつけることができます。
    例えば、-1/2EV までは、ディティールが出てくるのに、それ以上では出てこない。といった現象です。
    そのとき、あなたのカメラは、1/2EV 分だけの余裕をもって RAW を記録していることになります。
    逆に言うと、センサーのダイナミックレンジの上側 1/2EV は使われていないことになります。

    カメラによっては、ISO 感度を高めたときにだけ、このような機能が働くものもあります。

    しかし 1/2EV 明るいところまで飛ばないとしても、その領域をめいっぱい使って撮影していいかというと、そうではありません。
    その領域は、もうリニアリティが失われているかも知れないからです。
    この領域までを積極的に使うには、テスト撮影をして、あなたが納得できる色再現が行われるかどうかを調べるしかありません。
    ここまで知り抜いていれば、被写体によっては (例えば) 1/2EV 程度オーバーに撮影して、ノイズの少ない清潔な絵を作れるかもしれません。

    12.2 イメージセンサーのリニアリティとサチュレート」も参考にしてください。

12.2 イメージセンサーのリニアリティとサチュレート
    イメージセンサーは、CCD あるいは CMOS によって作られており、与えた光量に応じた信号を出力します。
    しかし、あるところで光量を上げても信号は上がらずにストップしてしまいます。これがサチュレートです。
    これは、RAW データ上でも白とびを起こします。
    では、センサーはサチュレートする直前までを使いきれるかというとそうではありません。
    与えた光量に対して、出力信号が比例する領域、この領域を外れると、色再現が低下します。

    通常は、この比例領域だけを使って JPEG 映像を生成するようにカメラは設計されています。
    しかし、完全な比例ではなく、どこまで許容できるかという許容範囲を含んでいます。
    もし、カメラメーカーは許容できてもあなたが許容できる範囲を超えていたら...
    そのカメラはもう駄目?ではなくて、あなたが許容できる範囲を使って露出すればいいのです。
    許容できる範囲に入るまでアンダーに露出すればいいのです。
    それでも駄目ならもうそのカメラは駄目?その通りです。その場合、カメラを買い換えるしかありません。
    アンダーに撮影することで、色再現性の低下を回避できたとしても、ノイズが増加するかも知れません。
    でも、それがそのカメラのセンサーの能力なのですから、色再現と、ノイズの妥協点を見つけなければならないでしょう。
    逆に、被写体によっては、メーカーの許容範囲を超えられるかも知れません。
    その場合には、「減感現像の可能性」で説明した範囲内で、オーバーな露出をすることで、ノイズの少ない清潔な映像を手にいれることができます。



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