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写真家に聞くSILKYPIXの魅力:第1回 小山 伸也さん/写真家
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写真家:小山 伸也さん

小山 伸也さん:写真家


1955年生まれ東京都出身。中央大学理工学部卒業後、オーディオメーカー、カメラメーカーを経て2002年春に写真家になる。カメラ雑誌などで写真やカメラの解説をはじめ、鉄道や航空雑誌で車輌や航空機の解説など幅広く活躍している。最近は、スイスやドイツなどヨーロッパの鉄道を中心に撮影している。

スイス鉄道撮影動画(Nikkon-D3sにて撮影)
●スイス鉄道撮影動画
チューリッヒでのスナップ作品:その1 チューリッヒでのスナップ作品:その2 チューリッヒでのスナップ作品:その3 チューリッヒでのスナップ作品:その4
●小山さんの撮影されたスイス鉄道スナップ写真 ※写真をクリックすると拡大表示します

 

はじめに

「写真家に聞くSILKYPIXの魅力」第1回目のお客様は、写真家 小山 伸也 さんです。
小山さんは、写真家としての活動の他に、その優しいお人柄と、わかりやすく丁寧な解説で、写真教室の人気講師としての一面もお持ちです。 本日は小山さんから、色々な話を交えながらSILKYPIXへのご意見や思いを語って頂きたいと思います。
インタビュー風景:その1

――お久しぶりでございます。最近まで海外ロケへ行って来られたとのことで?

小山 伸也さん(以下、小山と表記)
ええ、全行程で8日間ほど行ってきました。それがね、危なく撮影機材をダメにしてしまうところでね。とある空港での乗り換え時、雨が降りそうだなと空を見上げていると、ザーと降り始めたんですよ。そうすると現地の空港スタッフは日本と違ってラフだから、僕らのバゲージを外に置きっぱなしでね、ずぶ濡れですよ。カメラやパソコンはケースに入れて、更に周囲を洋服などに包んでバゲージに入れておいたんだけど、周りの洋服はびしょびしょになってしまって、辛うじてカメラとパソコンは大丈夫ということがありました。

――それは不幸中の幸いでしたね。海外では日本では考えられない事が起きたりしますので、念には念を入れて準備しておいた方が良さそうですね。貴重なお話を有難う御座います。では、早速始めて参りたいと思います。宜しくお願い致します。

小山 宜しくお願いします。

RAW現像を始めたきっかけ

――小山さんがRAW現像を始めたきっかけからお聞かせ下さい。

小山 写真教室の講師をするにあたって、鉄道写真をRAWで撮り始めました。やっぱり良い写真で見せたいですので、RAWを選択しました。

――小山さんは某オーディオメーカーから某カメラメーカーにお勤めされていたとの事ですが、写真の業界に入る事になったきっかけは?そもそも昔から写真は撮られていたのですか?

小山 業界に入るきっかけは難しいんだけど、学生の頃はカメラ業界や鉄道写真系に進むのは考えていなかったです。つまり趣味を仕事にするのは嫌だなと。だけど興味がないと仕事がつまらないだろうと。その中で第3の趣味であるオーディオを選択しました。趣味の順番で行くと、鉄道、カメラ、オーディオ、その3番目の職に就いたというのが事実です。

チューリッヒでのスナップ作品:その2

――乗り鉄 撮り鉄 音鉄ですか?(笑)

小山 (笑)。鉄道の方で言うと技術の方が好きだったんですよね。だからどうしてこういう台車があるのか?とか、どうしてこういうモーターがあるのかとか、どうやってこういう制御をやっているのか、とかね。だから、例えば103系の制御はどうなってるのかな?201系はどうか?という部分ね。もし鉄道関係に進むのであれば、技術屋さんのほうになりたいな、とは思っていました。

――では鉄道関係の就職もお考えだったのですか?

小山 一応ね(笑)。当時国鉄に入りたいなと考えたときに、ちょうど学生になった頃に労働問題でストが1週間以上起こったりしていた時期で、やっぱりそういうところで仕事するのは嫌だなと思って、それもあって趣味の部分だけではなく働く環境の事も考えました。

――ちなみにオーディオメーカーに在職時も、常に写真はお撮りになっていたのですか?

小山 そうですね。だけどやっぱり仕事し始めると、極端に機会が減りましたね。営業や販売促進、広報とかを担当していましたので、当時はオーディオ最盛期ですからイベントも多くて、「試聴会」って言うセミナーを行ったりしていました。その経験が、現在の写真講師にも活かされています。人前で話すのは当時培われました(笑)。

フィルムからデジタルへの変遷

――小山さんは、ちょうどアナログ(フィルム)からデジタルへの変遷時に、カメラ業界でご活躍されていらっしゃいましたが、その時にデジタルは現在のように普及するとお考えでしたでしょうか?

小山 思っていました!一番覚えているのは、1994年11月某日に日経新聞にカシオのQV-10※発表の記事が載ったんですよ。当時はデジタルカメラと言う呼び方じゃなくて別の名前、「電子カメラ」とかそんなような感じ。それで新聞記事200字~300字くらいの小さな記事なんだけど、この記事を見て「ついにきた!」と思ったの。僕は、大学ではシステム工学を専攻していたので、最初はコンピューター(EDP)を担当していたんですよ。大学で教わったのか会社に入ってから知ったのかは忘れたけど、コンピューターは、最初、大砲の弾道計算に使われたんです。要するに発射角度や向きと着弾地点の計算ですよね。で、次に請求書とか発注書とか所謂EDPが始まり、会社名等、漢字カタカナ文字が入ってきました。その次にデジタルが何に進むかと考えた時、音楽・画像に行くと当時から確信がありました。 とにかくQV-10の記事をみてこれはついにきた!大変なことになった、世の中変わるなと強く思いました。
当時は、周りの声を聞いても、「フィルムに勝てっこない!」といったような声がほとんどだったけど、そんなにデジタルは甘くない、デジタルの世界の伸長の仕方、価格の落ち方や高性能化をオーディオの世界で経験済みだったので、絶対にデジタルは来るだろうなと思いました。
それが5年先なのか10年先なのかははっきりしなかったけど、ひとつだけ、誰しもが思っているよりも早いよって事は感じました。

インタビュー風景:その2

――結果的に言うと、あっという間に変遷しましたね。

※:QV-10 →カシオ計算機が1994年11月14日に発表した、世界初で液晶パネル採用の、民生向けデジタルカメラ。

小山 だからそういう意味で、デジタルに対して抵抗感ないし、まだまだ進化すると思うし、特に3Dも動画も、もっともっと進化するだろうなとういうのはありますね。

――フィルムからデジタルに変わって、撮影で変化した点はありますか?

小山 撮影は特に変わってないですね。というのは、デジタルでもフィルムでもそうなんだけど、最終仕上げっていうのはプリントですよね。最終仕上げって紙なわけですよね。人間の有史以来の歴史があるわけですよ。 プリントを仕上げる際に、フィルムの時代だって「覆い焼き」があったり、色を微調整したりそういうことを行った訳ですから、当然デジタルで行うのも違和感は無いです。フィルムで出来たことは、デジタルも出来ると。機能的な点で言えばまだまだ色々あるし、例えばスポッティングはデジタルになったおかげで簡単に行う事が出来るようになりましたね。

――昔は筆で行っていたわけですからね。とても難易度が高かったですね。

小山 でもデジタルだと一瞬ですね、ポンと(笑)。そういう意味で言うと、どんどんなんでも出来るようになっているなと。データファイル形式にしても、QV-10が登場して以来、編集用データはずっとJPEGだった訳ですが、まあ当然限界はあるだろうと。技術革新というか、まだ当時はRAWって言葉はなかったけどもっと良いものに進むなというのはありました。

JPEGとRAW

インタビュー風景:その3

――現在となっては、JPEG自体がだいぶ古い規格になりました。情報量もRAWと比較すると少ないですね

小山 そうですね。けれども僕はJPEGを嫌っている訳でもなくて、要は適材適所、普通のサービスサイズのプリントに使うのであれば、あるいはパソコンのモニターで見るのであれば、まず困ることはないですよね。

――そうですね。

小山 ところが、大伸ばししての観賞距離ですよね。観賞距離との関係が出てきたときに、スムーズに受け入れられるかですよね。時と場合によってJPEGだとあれ色が?とかあれ階調が?とか、あれ繋がりが?とかね、全般的に不満が出てきてしまうと思うんですよね。適材適所で、情況に応じてRAWは必要になると考えます。

――撮影シーンによって、RAW撮影を選択するケースもありますか?

小山 いつも言うんだけど、デジタルカメラの取扱説明書って、300ページくらいあるんですよ。冗談でよく言ってるんだけど、取扱説明書を全部読んでから製品を使おうと思うと、次の新製品出てしまいますよって!

――(笑)

小山 ところがカメラメーカーも色々工夫していて、マニュアルをPDF化し、パソコンで見られるようになりましたし、またはマニュアル自体も検索機能が強化されていて、なにか困ったときに読むのがマニュアルと言う位置づけになってきています。昔はフィルム一眼レフカメラのマニュアルだって24ページとか32ページだったんですよ。それも写真が大きく入っていて、文字なんてほとんど無かった。だから全て読んでからカメラを使い始められたんですけど、現在は全て読んでからなんて無理。
で、質問の件ですがRAWかJPEGかって事なんだけど、僕は基本的にデジタルカメラは触らないように触らないようにと思っていて、触ると戻し忘れるの。

――あーー。(共感)

インタビュー風景:その4

小山 だからRAW撮影モードをJPEG撮影モードに変えて撮影して、翌朝の撮影で本当はRAWで撮っているつもりなのにJPEGモードで気付かず使ってしまっていたりと。

――たしかに経験あります。

小山 多分皆さんも同じだと思うんですよ。設定を変更してからの戻し忘れが怖いので、常にRAWとJPEGの同時記録に設定しています。

――今まさにお話されたことがSILKYPIXの一番のコンセプトで、カメラの設定をなるべく撮影現場で行わなくても良いように、RAWモードでの撮影をお薦めしています。
特に画像の設定系(シーンモード、ホワイトバランス、コントラスト等)は多いですので、それを撮影時にやっていると、なかなか撮影に集中出来ないと思います。そもそもSILKYPIX(RAW現像)のコンセプトって、そのような設定を後回しにしませんかと言うところから始まってるんですよね。

小山 そこですよね。撮影時にはファインダーに集中したいので、その後の工程でできることはRAW現像ソフトに任せて、操作を軽減する。そして、そのRAW現像ソフトには、簡単に意図通りの作品に仕上げられることが求められると思います。

SILKYPIXのお気に入り機能

インタビュー風景:その5

――またSILKYPIXは、できるだけカメラ用語を積極的に使い、以前からの写真愛好家の方がすぐに慣れて頂ける様な設計にしております。小山さんはSILKYPIXでお気に入りの機能はありますか?

小山 ファインカラーコントロールですね。範囲指定の手間をかけずに、色相ごとに、例えば空を直感的に、目的の明るさ・色調に調整出来るのが良いですね。ファインカラーコントロールを使うと、階調の繋がりが自然に調整が行えますね。ソフトによっては任意で範囲指定を行い調整すると、色の繋がりが不自然になるケースもありますので。

――今、たまたま別のソフトのお話も出ましたが、我々は現像ソフトの選択肢があるのはとても良いことだと考えておりまして、場合によって複数のソフトを併用するのも良いかなと思っています。実際にユーザーさんの中には、ソフトを併用されている方も多くいらっしゃるようです。デジタルカメラが普及する以前は、カメラメーカーさんがあり、フィルムメーカーさんがあって、その組み合わせによって写真が成立していましたが、私共も現像ソフトメーカーとして、画作りのコンセプトを提供していくことが出来れば、また一つ選択肢が増えるかなと考えています。

小山 僕は、SILKYPIXは完成度がとても高いなと思っていまして、実際に調整機能がかなりあるんですよね。だけど、全部の機能を使うわけはなく、自分が使用する機能を限定すると、抜群に使い勝手が良いですね。

――基本的な操作方法は、スライダーでの調整ですので簡単ですね。

小山 あと、数値を直接入力できるのも良いです。
僕が言いたいのは、カメラも一緒なんですが、全ての機能を使わなければいけないとの考えはダメですと。全ての機能が使えるのが重要ではなく、自分が使いたい機能が搭載されているかが重要です。ソフトも一緒で、これは良いなと思う機能を使うのが重要だと思います。

――我々も露出とホワイトバランスと調子は写真を見て、お好みで使って頂きたいと考えています。正解もないですので自由に設定してくださいと。それ以外の機能については、気になった箇所があったらお使い下さい、と考えています。

小山 もうひとつお気に入り機能が、ホワイトバランス調整でサークルの中を選択して調整出来る機能、ホワイトバランス微調整がとても使いやすいですね。例えば冬景色で雪の面積が多い写真だとホワイトバランス設定が微妙で難しいので、カメラ側の設定がAWB(オートホワイトバランス)でも、ずれてしまうケースが多いです。
そうした場合はRAW現像で調整が必須ですね。

SILKYPIXイメージ

――そうですね。逆にRAW現像はホワイトバランスが後で調整出来るので、安心感があります。

小山 これがRAW現像の最大のメリットだと思っています!この写真だって、ホワイトバランスがこうやって変わってくるでしょ。雪の色って白だと思いがちだけど、晴天下の雪景色だと、ひなたと日陰の白がそれぞれ異なるので、ホワイトバランスをどうやって取ってあげるかが重要。僕らの目だって順応できないのに、カメラだって正確な判断は難しいですよ。そういう場合があるから、ホワイトバランスの後調整が重要でその場での設定はとても難しいことです。

――逆に我々の考えでは、ホワイトバランスの正解はないと考えている部分もあって、撮影者の方が感じたように調整して頂きたいと思っています。

小山 そこなんですよ。もっと言っちゃうと、正解な写真はないと思います。正解っていったい何かというと自分は撮った写真をどういう風に見せたいかと言うこと。そのときに自分の色はこうあるべきだとか、調子はこうあるべきだとか、それを思い通りに実現しやすくしてくれるのが良いソフトだと思います。あとは自分の好みをどう出すか。

――写真の調整って料理をするのと感覚的に似ていて、美味しく感じるか美味しくなく感じるかは人それぞれですので、「自分が美味しいと思う料理」と同様に、「自分が良いと感じる写真」を仕上げて貰えればと思います。

小山 結論って訳じゃないけど、撮影者自身が何をしたいかというのを明確にするのが大切で、それが出来る人が写真の上手い人かなと思っています。自分が出来ているかどうかっていうとそれはまた別でね(笑)。

――フィルム写真は、ラボ屋さんにここをもっとこうして欲しいといったような調整をお願いしても、言葉で伝えるので、どうしてもなかなか伝わりにくい部分ってあったじゃないですか。それがRAW現像で自分自身が思い通りにとことん調整が出来るようになり、人それぞれによって個性が強くなってきているように感じています。実際にWEBやブログ等インターネットを通じて写真を拝見すると、皆さんそれぞれ個性的で楽しいな、楽しまれているなと思っています。それは撮影者が一貫して思い通りに仕上げられるからなのかなと。(共感)

小山 特に今若い女性には「ハイキー調」の写真が人気ありますが、SILKYPIXはとても調整しやすいと思います。簡単ですよね。

――はい。簡単です。

小山 しかし僕なんかは人間が古いので、黒がしっかり出てなきゃ嫌だと(笑)!暗い調子の写真が好きなんだよな~。どちらかと言うと「ローキー」気味の写真が好きでさ、性格暗いのかな?と。

――(笑)

小山 ちょっと感覚が違うのかなと。

――同じシーンを撮影した写真でも、それぞれの仕上げ方によって全く別な写真になりますね。

小山 同じように撮っても、最終的には全然違うもんね。それでいいと思うんですよ。写真って、被写体をどう見せるかではなく、被写体をどう表現するかなんですよね。

チューリッヒでのスナップ作品:その1

――最終的にはプリントまでで完成で、撮ったままの状態ではなくプリントまでの仕上げ方も含めてですよね。

小山 そういう意味で、もちろんカメラ本体やレンズの力ってのもでかいんだけど、今RAW現像ソフトも非常に力を持ってきたというか、写真を決定する要素の中で大きなものとなってきたと思っています。

――私共スタッフも写真を撮りますので、その中でどのような機能が必要かとか、ここまでの機能は必要無いかなという意見を反映させ、過不足無く今のところ搭載しているつもりではあります、現状フォトレタッチソフトは、半分デザイナーさんのツールになっていて、写真を調整するには、その中から写真系の機能の一部を切り出して使っている状態と言えると思います。SILKYPIXは調整に必要な機能を絞り込んで、写真に特化したソフトになっていると思います。

小山 完成度が高いソフトだと思っていますので、現状で不満っていうのがほとんど無いっていうか、僕はないです!

鉄道写真の魅力をひとこと

インタビュー風景:その6

――では最後に、小山さんが考える鉄道写真の魅力をお伝え頂ければ。

小山 まずひとつは、楽しむものだから安全第一だよね。それからマナー、人に迷惑をかけない。最近幾つか問題になっているので。それがあって自分がどう楽しんでいけるか大切です。特に最近女性が多くなってきて、作品を見ると視点の違いに驚かされます。
何度も撮っているうちに自分の撮りたいもののパターンが出来てくる。最初はわからないで撮っていても、何枚か撮っているうちにパターンが出来ている。それで良いと思います。こういう写真が好きなんだと自分で気付くことが出来ます。繰り返しになるけど僕は、雪景色の写真が好きなのがひとつ。また奥行き間のある写真が好き。
鉄道車両って被写体として異常な形をしているんですよ。日本の場合在来線で言えば、幅3メートル、高さが4メートルちょっと、長さが200~300メートル。そういう被写体を撮ろうとした時どう撮るのか考える、僕は編成で写りこんでいるのが好きなので、そういうのが撮りたい。圧縮効果をかけるのか、長さが出るように消失点を画面に入れて撮るのかとか。ただ固執はしなくて良いと思います。パッと、いいなと思ったら撮っちゃって。
いまカメラの性能が良くなっていますので、ピントも露出も瞬時に合う。もっと言っちゃうと、ピントが合ってなくたって、雰囲気があってリズム感がよければ良いと思う気もするし、だから楽しみ方っていうのは色々あって、自分の撮りたい物をできるだけ多く撮ること。いけないのは、写真って、シャッターを切っている時が物凄く楽しので、それで終わりにしてしまうこと。撮ったあとで見ると期待はずれなのが多かったりするけど、撮って終わりにするのではなく、最終的にプリントまで行って自分の写真を評価することが大切です。

――自分の写真をよく見ると言う事に対して、RAW現像はうってつけだと思います。編集調整する作業は、自分の写真をよく観察するということになり、後の撮影に繋がると思います。

小山 それもあるし、ひとつは作品に仕上げてというプロセスが大事ですね。プロセスを行うことによって、次回の撮影をどう行うかフィードバックすることができます。もっと大きく撮ったほうがよいとか、あるいは望遠レンズ圧縮効果をつけたほうがよいとか、角度、流撮などの、様々な選択肢を考える。
あともうひとつは、人の写真をよく見ること。写真に限らず、テレビでも良いんだけど、写真とか映像を数多くじっくりと見ると良いですよね。鉄道が好きなら鉄道を出てくるシーンでもいいし、実風景の夜のライトの光跡、滲み方などを見ることでイメージが湧いてくる。撮影に行くまでこんな写真を撮りたいとイメージして行くことが構図。何をどこに配置してというのはフレーミングなんですよ。それは現場で考えればいいことであって、要するにこんな写真を撮りたいと思い込むことによって、自分で満足の行く写真が撮れますよね。人様には「これかい?」って言われるかもしれないけど(笑)、そうじゃなくて思い込んだ通りに撮る事が出来ると実際にプリントした時に大きな満足感が生まれる、やっぱりこんな写真を撮りたいなと思う事、思う為の情報を得るのが人の写真であったり、テレビであったりとかね、そう思います。

チューリッヒでのスナップ作品:その4

――先にイメージを固めておくと、RAW現像の時とても楽ですよね。

小山 本来イメージがないと、出来ないはずなんですよ。こういう風にしたいとかっていうのがなければね。それが大切。何をやりたいのかをイメージしとくのが大切。

――そこを含めて写真の楽しいことですね。

小山 そうそう、そこが写真の楽しいところだと思うので、どうやって楽しんでくのかってことが重要です。上手く撮れないのは、道具などのせいにしがちだけど、敵は自分の中にいるのではないでしょうか(笑)。

――今日は長時間にわたっての、貴重なお話を有難う御座いました。

小山 本当に僕の話で良かったのかな?(笑)




――たいへん興味深い、数々のお話の中でも、「写真をどうやって楽しんでいくのかってのが重要です。」とのお言葉が特に印象的でした。SILKYPIXも、皆様に現像を楽しみながらお使い頂ければ何よりです。

【 2010年8月9日公開 】


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