SILKYPIX® Developer Studio 3.0SOFTWARE MANUAL
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9.設定

9.1 現像結果保存設定


メニューの[オプション(O)]-[現像結果保存設定(E)]を選択すると、現像の実行の際に出力される画像ファイルの種類などを設定する「現像結果保存設定」ダイアログが表示されます。

9.1.1 ファイル種別の設定

本ソフトウェアでは、非圧縮形式のファイルフォーマットとして TIFF ファイルを、圧縮ファイル形式として、JPEG ファイルを書き出すことができます。
本ソフトウェアでの現像結果を劣化させたくない場合や、さらにフォトレタッチソフトでの加工を行う場合には、非圧縮形式の TIFF をお勧めします。
フォトレタッチソフトでの加工を行う場合には、階調性の高い16ビットでの保存が有利です。
保存ファイルサイズを小さくしたい場合には、JPEG での保存が適していますが、映像の劣化が発生しますので、用途に応じて適切な圧縮率を設定してください。
また、Exif 情報と言われる情報を出力ファイルに埋め込むことができます。詳しくは、「10.4.2 Exif 情報について」をご参照ください。

(1) 非圧縮形式

以下の3種類が選択可能です。

RGB Exif-TIFF (8Bit)
EXIF 情報を含み、EXIF 規格に準拠した1チャンネル8ビット、R,G,B 3チャンネルの非圧縮TIFFです。

RGB TIFF 8Bit
EXIF 情報を含まない1チャンネル8ビット、R,G,B 3チャンネルの非圧縮TIFFです。

RGB TIFF 16Bit
1チャンネル16ビット、R,G,B 3チャンネルの非圧縮TIFFです。
EXIF 情報を含めることも可能です。この場合、[Exif-IFDを含めるチェックボックス]をチェックしてください。

※ここで、16Bit Exif-TIFF としていないのは、Exif 規格では 16 ビットでの保存が規定されていないためです。

(2) 圧縮形式

以下の3種類のタイプからJPEGの形式を選択し、また品質係数を設定してください。
品質係数は小さいほどファイルサイズが小さくなりますが、画質劣化は大きくなります。
品質係数は大きいほどファイルサイズが大きくなりますが、画質劣化は少なくなります。

Exif-JPEG (YCC422)
明るさ情報4画素に対して、色情報を2画素づつ持つ形式の EXIF 情報を含んだ JPEG ファイルです。
最も一般的な形式ですが、色情報が2画素に対して1画素分しか記録されないため圧縮率は高くなりますが、微細部分で色の分離が低下します。

Exif-JPEG (YCC420)
明るさ情報4画素に対して、色情報を1画素づつ持つ形式の EXIF 情報を含んだ JPEG ファイルです。
YCC422 形式よりも、さらに色情報が間引かれており、画質劣化は大きくなりますが、ファイルサイズは小さい形式です。

JPEG (YCC444)
色情報が間引かれない形式の JPEG ファイルです。このためファイルサイズは大きくなりますが、画質劣化は少ない形式です。
EXIF 情報を含めることも可能です。この場合、[Exif-IFDを含めるチェックボックス]をチェックしてください。

※Exif規格では、444 サンプル形式が規定されていないため、このような表現となっています。

9.1.2 JPEG・TIFFに記録する付帯情報

ここでは、現像結果をJPEGやTIFFに保存する際に、画像の付帯情報としてJPEGやTIFFに記録される付帯情報についての設定を行います。ここでの設定は現像結果の画像には何ら影響を与えません。画像とともに記録される付帯情報のみが影響を受けます。

【解像度】
JPEGやTIFFに記録される"解像度"の値を定義します。デフォルトでは300dpiに設定されています。
この解像度の値を大きく設定しても、出力される画像の分解能が変化する訳ではなく、出力画像は全く変化しません。
ここで設定された値はEXIF情報の中に記録され、画像を表示または印刷する際に実際の寸法に換算するための尺度として用いられます。
解像度情報に対応していないソフトウェアの場合、この設定は意味を持ちません。よく分からない場合には、この設定はデフォルトのままでお使いください。

【ICCプロファイルを記録する】
色空間を示すICCプロファイルを記録するかどうかの設定です。記録する場合はJPEG、TIFFの規格に準拠した方式でICCプロファイルを記録します。デフォルトでは有効になっています。
カラーマネジメント対応でかつ埋め込みプロファイルに対応しているソフトウェアに色空間情報を正確に受け渡すことができます。

【撮影時設定、現像パラメータなどを記録しない】
EXIF情報に撮影時に関する情報やSILKYPIX®の現像パラメータの情報を記録するかどうかの設定です。有効にすると記録を行いません。デフォルトでは無効になっています。
撮影時に関する情報はEXIFで規格された標準のタグに記録される情報で、撮影日時など撮影に関する情報です。現像パラメータはEXIF情報のメーカーノートという領域に格納されるSILKYPIX®独自の情報です。
いずれの情報も、画像の撮影ならびに現像処理に関するプライベートな情報ですので、現像結果のJPEGやTIFFを配布する際に、これらの情報を公開したくない場合にはこの設定を有効にしてください。

【サムネイルを記録しない】
EXIF情報として記録されるサムネイル画像を記録しない設定です。デフォルトでは無効になっています。

【回転情報をタグに記録しない】
EXIF情報として記録される画像の回転情報を記録しない設定です。デフォルトでは無効になっています。

【個別画像処理に特殊処理と記録する】
EXIF情報として記録される個別画像処理に特殊処理と記録するかどうかの設定です。デフォルトでは有効になっています。
この設定を有効とした場合、個別画像処理に特殊処理と記録され、これは現像結果の画像が出力を考慮して処理が施されていることを示します。この設定は、この画像を処理する次の工程で更なる処理を禁止または低減することを期待します。
この設定を無効とした場合、個別画像処理に通常処理と記録され、この場合には上記のような期待を次の工程に対して求めません。

例えば、この設定が有効な場合、DPEサービスで写真のプリントを依頼した場合に、DPEサービス側で自動補正などの画像処理が行われなくなる場合があります。
次の工程に対しても何らかの画像処理を求める場合は、この設定を無効にしてください。
SILKYPIXでは、ユーザーの意図を反映させた完成した画像の出力を前提としていることから、デフォルトではこの設定を有効にすることで次の工程での過度な処理を抑制しています。

9.1.3 現像指示

ここでは現像結果をJPEGやTIFFに保存する際に、どうのように現像処理するかの設定を行います。ここでの設定は現像結果の画像に影響します。

【RAW回転時の現像結果:回転して現像結果を保存する】
回転後の映像を出力するかどうかの設定です。デフォルトでは有効になっています。
この設定が有効な場合は、現像結果はプレビュー表示と同じ向きに回転されて記録されます。
この設定が無効な場合は、現像結果は回転処理されずに記録されます。ただし、この場合でも上記の【回転情報をタグに記録しない】が無効の場合は回転情報をEXIF情報として記録します。画像自体を回転しないで、回転の指示は情報として記録することになります。

回転情報に対応しているソフトウェアの場合は回転情報が設定されている画像は表示時に自動的に回転して表示する場合があります(本ソフトウェアはそうです)。このようなソフトウェアで現像結果の画像を表示する場合はこの設定の有効・無効にかかわらず同一の表示結果となる場合があります。
この設定を無効にすることで現像結果の画像の回転方向を揃えることができますので、フォトレタッチソフトなどで2次加工する際に同一のアクションを使用したい場合などにご活用ください。

カラースペース
現像時のカラースペースを指定します。デフォルトでは"現像パラメータの設定に従う"に設定されています。
現像パラメータに設定してあるカラースペースにかかわらず、“sRGB”もしくは“AdobeRGB”のカラースペースとして現像を行うことが可能です。
例えば、普段はモニター閲覧用に”sRGB”で現像していて、一時的に印刷用途のために”AdobeRGB”で現像し直したい場合などに便利です。

9.1.4 現像結果保存フォルダのデフォルト

現像結果の保存先フォルダのデフォルトの設定を定義します。現像結果の保存先フォルダは保存時に任意に設定することができますので、ここではデフォルトとして表示されるフォルダが定義されます。

一括現像では「一括現像処理」ダイアログで別途設定したフォルダに保存されますので、ここでの設定には影響されません。

※ 選択肢には"RAW画像"という用語で表記しておりますが、これらは"現像処理の対象となる元画像"という意味です。Ver3.0ではJPEG/TIFF画像も現像処理の対象とすることができるようになりましたので、JPEG/TIFF画像を現像処理する場合はこれらが"現像処理の対象となる元画像"となります。

9.1.5 現像結果保存ファイルのデフォルト名

現像結果の保存時に、JPEGやTIFF画像のファイル名として設定されるデフォルト名を定義します。デフォルトではRAWデータファイルと同一のベース名("%N"コントロール文字)が設定されています。
1コマずつ現像する場合に、ファイル名は任意に設定することができますので、ここではデフォルトとして表示されるファイル名が定義されます。
一括現像では、ここで定義したファイル名が使用されます。

ここではコントロール文字の使用が可能で、[ベース][焦点距離][F値][Shutter][ISO感度][年月日][時分秒]のボタンをクリックすると対応するコントロール文字が自動的に入力されます。
[初期化]ボタンをクリックすると初期化されて"%N"となります。コントロール文字は命名規則に従って直接キーボードから入力することもできます。

現像結果保存ファイルのデフォルト名に使用可能なコントロール文字
%N...RAWデータファイルのベース名(拡張子を除いたファイル名)
%I...ISO感度
%L...焦点距離
%F...F値
%T...シャッター速度
%Y...撮影日時-年(2桁)
%y...撮影日時-年(4桁)
%M...撮影日時-月
%D...撮影日時-日
%h...撮影日時-時
%m...撮影日時-分
%s...撮影日時-秒
%%...'%' の記述方法

一括リネームのフォルト名に使用可能なコントロール文字と同一です。


9.2 表示設定


メニューの[オプション(O)]-[表示設定(D)]を選択すると、カラーマネージメントパラメータ・コントロールの位置を設定する「表示設定」ダイアログを起動します。

※ スキン(=背景画像)の切り替えについては、「9.7.4 スキンの選択」をご参照ください。

9.2.1 カラーマネージメント

表示の際のカラーマネージメントを設定します。
[カラーマネージメントを有効にする]チェックボックスをチェックすると、モニタープロファイルとしてモニターに関連付けられているプロファイルが使用されて表示されます。

カラーマネジメントを有効にすると、 Adobe RGB の JPEG/TIFF ファイルや、色空間を「Adobe RGB」に設定してプレビューする場合に正しい色を表示できるようになります。
また、sRGB でのみ使用する場合でもカラーマッチングユーティリティ等を使用して、モニタの色を測色してモニタプロファイルを作り、本ソフトウエアに設定することで、正しい色を表示することができます。
正しい色が表示されていないと、正しい色の調整ができません。カラーマネジメント機能をご使用になることをお勧めします。
モニタのメーカーによっては、モニタ用のプロファイルを配布している場合があります。メーカーのホームページ等で確認してみましょう。

9.2.1.1 モニタプロファイルの設定
カラーマネージメントが有効な場合、以下の2種類の方法でモニタプロファイルの指定ができます。
(1) OSに標準設定されたモニタプロファイルを使用します。OSにモニタプロファイルを指定する方法についてはご使用のOSの取扱説明書をご参照ください。
(2) モニタ用プロファイル(ICC/ICMファイル)をファイルから選択します。モニタ用のXYZ-RGB形式のプロファイルを指定してください。

※他のソフトウェアと比較して表示される色が異なる場合、いずれかのソフトウェアのカラーマネージメントが有効になっていないか、もしくは使用しているモニタプロファイルが異なることが原因と考えられます。
他のソフトウェアにはソフトウェア内で直に使用するモニタプロファイルを指定する形式のものがございます。その場合に指定されたモニタプロファイルが異なる場合がありますのでご注意ください。

9.2.2 表示形式

現像パラメータ等を調整するパラメータ・コントロールを、メインウィンドウの右に配置するか左に配置するか、フローティング・ウインドウにするかを設定します。
使いやすい方を選択してご使用ください。



9.2.3 サムネイル表示

サムネイルを表示する際の横方向の表示コマ数と、サムネイルの表示順序の設定を行います。

サムネイルの並び替えについては、「3.14 サムネイルの並び替え」をご参照ください。

9.2.4 グリッド設定

【グリッド表示時に設定ダイアログを表示する】
この設定が有効な場合、グリッドを表示している間グリッド設定ダイアログが表示されます。デフォルトでは有効となっています。
グリッド設定ダイアログではグリッドの位置と間隔の設定を行うことができますが、グリッド位置の変更はこのダイアログが表示されていない場合でもキーボードによる操作([CTRL]キー+左ドラッグ)で行えますので、常時表示が不要の場合は無効に設定してください。

【回転・デジタルシフトの設定時にグリッドを表示する】
この設定が有効な場合、回転・デジタルシフトのパラメータをGUIにて変更した場合に一定の時間グリッドが自動表示されます。デフォルトでは有効となっています。

9.2.5 プレビュー表示

【プレビューの負荷を軽減し操作を快適にする】
プレビューの表示倍率が100%未満の場合に、本現像プレビューを行わなくします。
シャープや偽色抑制など、本現像プレビューでしか確認できないパラメータを調整する場合には、100%以上の表示倍率にして確認する必要が出てきますが、CPUの負荷とメモリの消費を大幅に抑えることができ、軽快にパラメータ調整を行うことができるようになります。
搭載メモリの少ないPC(概ね1GB未満)やノートブックPCをお使いになる場合には、この設定が効果を発揮するでしょう。


9.3 機能設定


メニューの[オプション(O)]-[機能設定(F)]を選択すると、JPEG/TIFF/DNG 回転時の回転情報の保存方法や露出補正ツールの輝度レベルなどを設定する「機能設定」ダイアログが表示されます。

9.3.1 機能

9.3.1.1 JPEG/TIFF/DNG 回転時の回転情報の保存

JPEG/TIFF/DNG を回転させた場合に、原画ファイル内の回転情報を書き換えるかどうかを設定します。

●付帯情報ファイルに保存(原画ファイルを変更しません)

現像パラメータファイルに記録し、原画ファイルは変更しません。

●タグ情報を変更(原画ファイルを変更します)

ファイル内の回転情報のみを変更します。
原画ファイル内部の回転情報を書き換えるため、本ソフト以外のソフト(※)でも回転情報を認識させることができるようになります。
ただし、ファイルに回転情報が入っていない場合には、ファイル回転情報を書き換えることができませんので、現像パラメータファイル(.spd)に記録されます。

※回転情報に対応したソフトである必要があります。

9.3.1.2 露出補正ツールの設定

露出補正ツールでクリックした点の輝度レベルを設定します。ここで設定した輝度レベルになるように露出補正が行われるようになります。
ここで言う輝度レベルとは、クリックした点のリニア(光のエネルギー)レベルでの値です。
つまり、調子表現やガンマトーンカーブが施される前の値です。
従って、50%と設定してもその点のピクセル値が 127 になるわけではなく、通常の調子表現やトーンの設定においてディスプレイ上に表示される輝度レベルとなります。

ここでの設定値は、RAW データ上での感光レベルと考えることができます。
例えば、設定値を18%として18%グレイカード部分を指定して露出補正ツールを使えば、RAW データ上での感光レベルを18%として再現する露出補正値が得られます。
これは、露出計を利用して露出を決定した場合と、ほぼ同様の結果となります。

グレイカードを使わない場合でも、例えば、白紙の反射率は80〜90%程度ですから、このツールの設定値を85%として白紙や、写真内で最も明るい部分を指定すれば、簡単に露出を一定のレベルに調整することができます。
この手法は、同一のものを複数コマ撮影した場合に、同じ場所が一定の明るさに再現されるようにしたい場合などに応用できます。

9.3.1.3 ハイライト警告の設定

ハイライト警告を行うしきい値を設定します。
最終出力画のピクセル最大値に対する比率で設定します。

9.3.1.4 シャドー警告の設定

シャドー警告を行うしきい値を設定します。
最終出力画のピクセル最大値に対する比率で設定します。

9.3.1.5 現像パラメータ・回転情報などを保存

現像パラメータや回転情報を変更した場合に、それらの情報を自動保存するかどうかの設定です。
この設定がチェックされていない場合は、アプリケーションを終了したり、新しいファイルやフォルダを選択した場合に、それまで変更した現像パラメータや回転情報は失われてしまいます。
この設定がチェックされている場合は、RAWデータファイルのあるフォルダに"SILKYPIX_DS"サブフォルダを作成し、spd, spi などのSILKYPIX®用の付帯情報ファイルを自動的に保存します。
チェックされていない場合や書込み禁止メディアの場合はこれらのフォルダやファイルは作成されません。

9.3.1.6 RAW画像のみを対象とする

RAW画像だけを対象とするかどうかの設定です。
この設定がチェックされていない場合は、JPEG/TIFFも対象となり、RAW/JPEG/TIFFが表示されます。
この設定がチェックされている場合は、RAWだけが対象となり、RAWだけが表示されます。

※EOS-1D および EOS-1Ds のRAWデータの拡張子は"TIF"であるため、この設定をチェックした場合にはこれらのRAWデータの取り扱いもできなくなります。

9.3.2 操作

9.3.2.1 フォルダ選択ダイアログで、フォルダをダブルクリックで選択する

フォルダ選択ダイアログを使用する場合に、フォルダをダブルクリックした場合の動作を決定するものです。
チェックされている場合はダブルクリックでそのフォルダを選択して決定したものとして動作します。
チェックされていない場合はダブルクリックでツリービュー上でそのフォルダを開閉します。
フォルダの開閉とはそのフォルダ内にあるサブフォルダを表示したり非表示にしたりすることです。

9.3.2.2 スポイト操作をワンショットで解除せずに連続して行う

スポイト操作とは、露出補正ツールグレーバランスツール肌色指定ツール倍率色収差補正ツール、そしてトーンカーブの構成点追加ツールを指します。
この項目をチェックすると、これらのツールで画像上の点や領域を指定しても操作モードが変更されず、続けて同じ処理を行うことができるようになります。
この項目をチェックされていない場合、これらのツールはワンショット機能となり、一度使用すると操作モードは元のモードに戻ります。
また、これらのツールを使ってシフト・キーを押しながら点や領域の指定を行いますと、ワンショットと連続操作が設定とは逆になります。

9.3.2.3 ファイル削除の確認を行わない

ファイルを削除するときに確認するかどうかを設定します。
この設定がチェックされていない場合は、ファイルを削除するときに確認します。
この設定がチェックされている場合は、確認せずにファイルを削除します。

9.3.3 パフォーマンス

9.3.3.1 プレビュー用キャッシュを有効にする

プレビュー用キャッシュを有効にし、選択されている前後のコマのプレビュー・イメージをメモリ上にキャッシュします。
プレビュー画面で2枚の画像を切り替えながら細部のチェックなどを行う場合に有効です。
この設定を施すと、キャッシュのためにメモリの消費量が増加するため、搭載メモリ量が少ないPC環境の場合はチェックを外して下さい。

前後のコマのみをキャッシュ

選択されている前後のコマのプレビュー・イメージをメモリ上にキャッシュすることで、前後コマへの移動を高速にします。
これにより、プレビュー画面で2枚の画像を切り替えながら細部の差異などのチェックを快適に行うことができます。

キャッシュを最大限使用する

過去に選択した最大5コマ分、および一時登録4セット分の中間現像結果や現像結果をキャッシュします。
プレビュー表示モードでの前後コマ送りで高速にコマを切り替えることができます。
ピクセル等倍で前後に送って見比べることで、連写コマのピント確認やブレ確認が容易になります。
また、現像パラメータの一時登録の際に、同時に現像結果もキャッシュします。一時登録した現像パラメータを切り替えて見比べる際に高速にプレビュー切り替えができ、現像パラメータの追い込みがより容易になります。

キャッシュを最大限使用する設定では、メモリ消費が多くなりますので、1Gバイト以上のメモリを搭載している環境で御使用ください。2Gバイト以上の搭載をを推奨します。

9.3.3.2 テンポラリ・フォルダを指定する

本ソフトウエアが作成する仮想記憶ファイルを作るフォルダを指定することができます。「テンポラリ・フォルダを指定する」チェックボックスをチェックして、参照ボタンでフォルダを指定してください。

OSの仮想記憶ファイルがあるドライブと物理的に異なるドライブのフォルダを指定することで、パフォーマンスが向上することがあります。指定する場合には、できるだけ高速で空き容量の十分にあるドライブを指定してください。




※各設定項目については、ツールバーの[環境設定]ボタンから表示させることも出来ます。


9.4 トラブル・シューティング設定


このダイアログで設定される項目は、お客様の環境で問題が生じた場合に弊社サポートからの指示に従って操作していただくものです。
お客様の判断で設定の変更を行うと、プログラムが正常に動作しなかったり、パフォーマンスが著しく低下する恐れがありますのでご注意ください。

9.4.1 Windows版のトラブルシューティング設定


9.4.1.1 メモリ・マップ形式でファイルをアクセスしない
一部のストレージ・デバイスのデバイス・ドライバがメモリ・マップ形式でのファイル・アクセスを正しく処理できない問題が確認されており、この問題を回避するための設定です。

9.4.1.2 現像処理時の並列処理を禁止する

SILKYPIX®は、複雑な処理中でも軽快な操作を実現するため、マルチスレッドやマルチプロセッサの並列処理を積極的に行い、マイクロプロセッサを高効率で稼動させて高いパフォーマンスを達成しています。
その結果、現像処理中はマイクロプロセッサに大きな負荷をかけるSILKYPIX®は、同時に起動している他のアプリケーションの動作を著しく低下させる場合があります。
また、マイクロプロセッサへの高い負荷のために、プロセッサの温度上昇によって温度警告が発生したり、動作不安定・再起動するなどのハードウェアの問題による動作障害が報告されています。
このような問題を回避するためにプロセッサの使用率を制限し、温度上昇を抑えるための設定です。
なお、温度上昇を抑えるさらに強力な設定を行うには、次項「9.4.1.3 現像処理をゆっくり行う」もご参照ください。
また、一括現像時に他のプログラムを快適に使用するには、「5.2.5 低プライオリティ現像」もご参照ください。

9.4.1.3 現像処理をゆっくり行う

この設定は、CPU温度上昇による熱暴走などのトラブルの検証のための設定です。
この設定を行うと、プレビューやサムネイル生成、1コマ現像一括現像などすべての現像処理がゆっくりと行われるようになります。
CPUを休ませながらゆっくりと処理を行うことで、CPUの発熱を抑えます。
現像処理中や、現像パラメータを変更している最中に暴走する場合には、この設定を有効にしてください。
この設定を有効にて暴走しなくなる。もしくは暴走するまでの時間が延長される場合にはパソコンの熱対策に問題があります。
そのままご使用になると、熱暴走によりハードディスクのデータが破壊されるなどの障害を引き起こす恐れがあります。

熱暴走について

この障害が発生した場合には、本ソフトウエアの使用を中止し、以下のような対策を行なってください。
本「ゆっくりモード」は、あくまでもトラブル発見用です。この「ゆっくりモード」で安定して動作するからといって、そのままご使用になるのは危険です。
熱暴走の場合は、プログラムが例外を起こして終了するのとは異なり、ハードディスク内のデータが破壊される可能性が高くなります。
最悪の場合は、OSそのものが起動しなくなり、すべてのデータを失うことにもなりかねませんので、くれぐれも「ゆっくりモード」で使い続けることは避けてください。

1.パソコンのファンなどに障害物がないか

ファンが埃で詰まっていたり、汚れていないか調べてください。汚れている場合には、パソコンのマニュアルに従ってクリーニングしてください。

2.パソコンの設置場所が適切か

パソコンのファンをふさいだり、壁が近すぎて放熱に障害になっていなか調べてください。また、熱がこもるような場所を避け、通気性の良い場所を選んでください。
室温が高い場合には、エアコンの近くに設置するなど、パソコンの放熱に気を配ってください。

3.メーカーに相談する

SILKYPIX® Developer Studio 3.0 は、CPUを極めて効率良く使用します。このため、他のプログラムに比べてCPUが高温になりやすいと言えます。
だからといって、それに耐えられないようであるならパソコン側に問題があります。
適切な設置条件であっても熱暴走が発生する場合には、パソコンの熱対策が不完全である可能性があります。
熱暴走である旨を伝えて、パソコンメーカーに相談してみましょう。
BIOS の初期化やアップデートを薦められる場合もあります。メーカーの指示に従って対策してください。

4.自作PCの場合には、放熱対策の増強を図る

CPU と放熱板の間の放熱グリスは十分か?ファンの容量は十分か?パソコン本体内部の風の流れは確保されているか?など、放熱に関する部分を入念に強化してください。
パソコン本体を開けて、扇風機の風を当てるなどの対策も効果があります。

9.4.1.4 EXIF情報のメーカー名を削除する

この設定は一部の画像閲覧ツールでEXIF情報が正しく表示できない問題を回避するためのものです。

9.4.2 Macintosh版のトラブル・シューティング設定


9.4.2.1 現像処理時の並列処理を禁止する

SILKYPIX®は、複雑な処理中でも軽快な操作を実現するため、マルチスレッドやマルチプロセッサの並列処理を積極的に行い、マイクロプロセッサを高効率で稼動させて高いパフォーマンスを達成しています。
その結果、現像処理中はマイクロプロセッサに大きな負荷をかけるSILKYPIX®は、同時に起動している他のアプリケーションの動作を著しく低下させる場合があります。
現像処理中の他アプリケーション動作の処理速度低下を軽減したい場合や、現像処理で何らかのエラーが発生する問題を回避するための設定です。

9.4.2.2 現像処理をゆっくり行う

Macintosh 版も Windows 版と同じように現像処理をゆっくり行う設定があります。詳細は 9.4.1.3 現像処理をゆっくり行う を参照してください。

9.4.2.3 EXIF情報のメーカー名を削除する

この設定は一部の画像閲覧ツールでEXIF情報が正しく表示できない問題を回避するためのものです。


9.5 キー設定


メニューの[オプション(O)]-[キー設定(K)]を選択すると、ショートカットキーのカスタマイズを設定する「キー設定」ダイアログが表示されます。



・機能にキーを割り当てる
左の「機能の選択」リストでキーを設定したい機能を選択してください。
右の「選択した機能へのキーの割り当て」リストで設定したいキーを選択してください。
「適用」ボタンを押すと、選択した機能にキーが割り当てられます。

・割り当てているキーをデフォルト(初期状態)に戻す
左の「機能の選択」リストでキーをデフォルト(初期状態)に戻したい機能を選択してください
「初期化」ボタンを押して、「適用」ボタンを押すと、選択した機能のキーがデフォルト(初期状態)に戻ります。

・全てのキー設定をデフォルト(初期状態)に戻す
「全て初期化」ボタンを押してください。キー設定全体をデフォルト(初期状態)に戻します。


9.6 デフォルトパラメータの設定


メニューの[オプション(O)]-[デフォルトパラメータの設定]を選択すると、「デフォルトパラメータの設定」ダイアログが表示されます。

テイストの種類が"全パラメータ"に登録されているテイストの1つをデフォルトパラメータとして設定することができます。
"(SILKYPIX®規定値)"は弊社で設定したSILKYPIX®のデフォルト値です。

部分テイスト(テイストの対象が現像パラメータ全体ではなく、一部のパラメータ・カテゴリのみのもの)を選択した場合、"(SILKYPIX®規定値)"に部分テイストが合成されたものがデフォルトパラメータとなります。

【注意】

デフォルトパラメータの変更は慎重に行う必要があります。デフォルトパラメータを変更すると、現像パラメータが設定されていない全ての画像の現像結果が一斉に変更されます。
過去に閲覧や現像処理を行った画像についても、それぞれの画像で現像パラメータが設定されている場合は影響されませんが、現像パラメータを設定していない画像については過去との互換性が保たれなくなります。

※ 現像パラメータが設定されているかどうかは「テイスト」のドロップダウンリストで判断することができます。「テイスト」のドロップダウンリストのテイストが緑色で表示されているコマには現像パラメータが設定されていません。

※ デフォルトパラメータの設定はRAWにのみ有効な機能です。JPEG/TIFF のデフォルトパラメータは固定されており、変更することはできません。


9.7 オプション機能


9.7.1 全処理対象画像のサムネイル作成

全処理対象画像のサムネイルを作成します。

9.7.2 アクセス履歴の消去

ファイル/フォルダのアクセス履歴を削除します。

9.7.3 コントロール表示位置の初期化

コントロールの表示位置を初期状態に戻します。

9.7.4 スキンの選択

本ソフトウェアの背景画像の切り替えを行う機能です。「スキンの選択」ダイアログが表示されますので、いくつかのスキンから使用するスキンを選択してください。
ここで選択したスキンは、次回起動時から有効となります。切り替えたスキンで表示する場合には、お手数ですが一度本ソフトウェアを終了してから再起動してください。


9.8 コントロール配置のカスタマイズ


サブコントロールをフローティング・ウィンドウ化したり、コントロールボックス内に配置する機能です。
この機能により、複数のパラメータを比較しながら操作したり、画面全体に写真を配置し確認したりするなど、より快適に作業を行うことができます。

【使用方法】

1.タブ・ページやコントロール・ボックスに配置された「露出」、「ホワイトバランス」などの各サブコントロール上で右クリックし表示されるシステムメニューより、「フローティングウィンドウにする」を選択することで、独立したウィンドウとして各種パラメータを表示することができます。


コントロールボックスのフローティング化


2.メニューバーの[オプション(O)]-[表示設定(D)]を選択し、「パラメータ・コントロールをフローティングウィンドウにする」を選択することでパラメータ・コントロール全体を1つのフローティング・ウィンドウとして表示することができます。



3.フローティング・ウィンドウとして表示されている「トーンカーブ」、「ヒストグラム」などのサブコントロールのタイトルバー上で右クリックし表示されるシステムメニュー(図2)より「コントロールボックス」へ配置するを選択することで、パラメータ・コントロールの内側にサブコントロールを配置することができます。画面サイズが十分でないと、この項目は使用できません。


パラメータウィンドウの収納




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