SILKYPIX® Developer Studio Pro 5SOFTWARE MANUAL
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0. 概要と入門

0.1. 各部名称


SILKYPIX®の画面表示の各部位の名称や操作方法の概要について説明します。

0.1.1. SILKYPIXの全体画面


SILKYPIX®の画面は、以下の要素で構成されます。

(1) メイン・ウィンドウ
本ソフトウェアの基本ウィンドウで、以下のパーツから構成されます。
(A) タイトル・バー
ソフトウェアのタイトルや状態の告知表示と、最小/最大化ボタン、ソフトウェアの終了ボタンが配置されています。
(B) メニュー・バー
メニューを選択することによって、さまざまな機能を実行させます。
(C) ツール・バー
ツール・バーのアイコンをクリックすることで、さまざまな機能を実行させます。アイコンは状態の告知表示の機能も備えています。
(D) ステータス・バー
選択されているコマの画像の情報などを表示します。
(E) パラメータ・コントロール
現像パラメータを調整するためのインターフェイスです。
パラメータ・コントロールはさらに4つのパーツから構成されます。


(E-1) メイン・コントロール部
主な機能は、現像パラメータの各カテゴリに用意されたテイストの選択と、詳細なパラメータ調整のためのサブコントロールの呼び出しです。
"露出補正"の調整はここでおこないます。
(E-2) タブ・ページ
現像パラメータの各カテゴリの詳細な調整をおこなうためのサブコントロールがここに表示されます。
ここに表示されるサブコントロールは、メイン・コントロール部の操作で切り替えられます。
(E-3) コントロール・ボックス
現像パラメータの各カテゴリの詳細な調整をおこなうためのサブコントロールを定常的にこの領域に表示することができます。
使用頻度の高いサブコントロールをここに配置して使用されることをお勧めします。サブコントロールについては、「4.2. サブコントロール」をご参照ください。
(E-4) サブコントロール・アイコン
フローティング・ウィンドウとして表示されるサブコントロールの表示/非表示の切り替えをおこないます。


(F) プレビュー・ウィンドウ
選択されているコマの画像を表示します。2分割画面にした場合、右側のウィンドウには他のコマの画像や、同一コマの画像で異なる現像パラメータで処理された結果などを配置することができます。 => 「プレビュー画面の分割」へ
(G) サムネイル・ウィンドウ
操作対象コマの一覧をサムネイル表示します。このウィンドウは、フローティング・ウィンドウとして表示してメイン・ウィンドウの外に配置することもできます。



(2) フローティング・ウィンドウ
現像パラメータを調整するためのサブコントロールや、状態を表示するためのウィンドウは、メイン・ウィンドウ以外の独立したウィンドウとして表示されるものがあります。
本ソフトウェアでは、これらを総括してフローティング・ウィンドウと呼びます。

(3) モーダル・ダイアログ
各種設定ダイアログなど、設定の変更などのために一時的に表示されるウィンドウです。

(4) メッセージ・ボックス
ソフトウェアの処理の中で、特別な処理がおこなわれた場合、エラーが発生した場合や複数の選択肢から次の動作を選択していただく場合などに表示されます。
ここに表示されるメッセージには固有のメッセージ番号が割り当てられています。エラーの発生などで対処に困った場合はこのメッセージ番号を控えてください。
マニュアルや弊社ホームページで、トラブル・シューティングの方法をご案内している場合がございます。

0.1.2. メニュー・バー



メニュー・バーはメニューからSILKYPIXのさまざまな機能を選択して実行させるインターフェイスです。
メニュー・バーの各項目をクリックすると、各メニュー項目のサブメニューがドロップダウンの形式で表示されます。
メニュー・バーの各項目は、メニュー項目を見つけるための入り口です。メニュー項目を見つけやすいように分類しています。

ここで選択可能な機能の多くは、ショートカットキーに割り当てることができます。
キーの設定方法については、「9.4. キー設定」をご参照ください。

(1) ファイル(F) ファイルに関係するメニュー項目をまとめています。
ファイルを開く(O) 現像処理するRAWデータやJPEG/TIFF画像をファイル単位で開きます。
フォルダを開く(D) 指定したフォルダの中にあるRAWデータやJPEG/TIFF画像を開きます。
1コマ現像(S) 選択されている1つのコマを現像処理してファイルに保存します。
閉じる 処理対象のコマを全て閉じます。
印刷(P) 選択されているコマの印刷処理をおこないます。
現像パラメータの読み込み(R) ファイルに保存されている現像パラメータを読み込みます。
現像パラメータの保存 選択されている1つのコマの現像パラメータをファイルに保存します。
削除予約コマの削除(E) 削除予約されているコマのファイルを削除します。
コピー予約コマのコピー(C) コピー予約されているコマのファイルをコピーします。
移動予約コマの移動(M) 移動予約されているコマのファイルを移動します。
現像予約コマの
バッチ現像(V)
現像予約されているコマのバッチ現像をおこないます。
選択コマの削除 選択されているコマのファイルを削除します。
選択コマのコピー 選択されているコマのファイルをコピーします。
選択コマの移動 選択されているコマのファイルを移動します。
選択コマの一括リネーム 選択されているコマの一括リネームをおこないます。
選択コマのバッチ現像 選択されているコマのバッチ現像をおこないます。
選択コマを
すぐにバッチ現像に登録
選択されているコマをバッチ現像のジョブとして登録します。
選択コマを閉じる 選択されているコマを閉じます。
終了(X) SILKYPIXを終了します。
プラグイン プラグインを実行します。
ファイル履歴 これまでに編集対象として指定したファイルの履歴を表示します。
フォルダ履歴 これまでに編集対象として指定したフォルダの履歴を表示します。
(2) 編集(E) 処理対象コマの状態を変更する種類の操作をまとめています。
履歴を戻す(U) 現像パラメータの編集状態を1つ前の状態に戻します。
履歴を進める(R) 現像パラメータの編集履歴が戻されている状態で履歴位置を1つ進めます。
すべてのコマを選択 処理対象のコマのすべてを選択状態にします。
予約・マークのコマを選択 予約・マークの設定されたコマを選択状態にします。
選択の反転 各コマの選択状態を反転します。
現像パラメータのコピー(C) 選択されている1つのコマの現像パラメータをペーストバッファにコピーします。
現像パラメータの貼り付け(P) ペーストバッファにコピーされている現像パラメータを選択されているコマに貼り付けます。
現像パラメータの
部分貼り付け
ペーストバッファにコピーされている現像パラメータの一部を選択されているコマに貼り付けます。
画像のプロパティの
部分貼り付け
ペーストバッファにコピーされている画像のプロパティの編集状態を選択されているコマに貼り付けます。
現像パラメータの初期化(O) 選択されているコマの現像パラメータを初期状態に初期化します。
画像の回転 +90° 選択されているコマを時計回りに90°回転します。
画像の回転 -90° 選択されているコマを反時計回りに90°回転します。
(3) 操作モード(M) プレビュー・ウィンドウの操作に関する項目をまとめています。
フィット表示 プレビュー表示を常に全体表示とします。
ズームツール プレビュー表示をズームツールで操作して拡縮・移動します。
ルーペツール プレビュー表示をルーペツールで操作して拡縮・移動します。
手のひらツール プレビュー表示を手のひらツールで操作して拡縮・移動します。
露出補正ツール プレビュー表示の指定箇所を基準にして露出を調整します。
黒レベルツール プレビュー表示の指定箇所を基準にして黒レベルを調整します。
グレーバランスツール プレビュー表示の指定箇所を基準にしてホワイトバランスを調整します。
肌色指定ツール プレビュー表示で肌色指定ツールを使って露出およびホワイトバランスの調整をおこないます。
回転ツール プレビュー表示で回転ツールを使って画像の傾きを補正します。
倍率色収差補正ツール プレビュー表示で倍率色収差補正ツールを使って倍率色収差を補正します。
スポッティングツール スポッティングツールでゴミ取りなどの画像の修正をおこないます。
トリミング領域設定 プレビュー表示で画像のトリミング領域を設定します。
(4) 表示(V) メイン・コントロールやサブコントロールの表示に関する項目をまとめています。
サムネイル表示 サムネイル表示モードに切り替えます。
コンビネーション表示 コンビネーション表示モードに切り替えます。
プレビュー表示 プレビュー表示モードに切り替えます。
マルチプレビュー プレビュー・ウィンドウを2分割して画像の比較などをおこないます。
フォルダを開く 指定したフォルダの中にあるRAWデータやJPEG/TIFF画像を開きます。
前のコマへ 選択コマを1つ手前のコマに移動します。
次のコマへ 選択コマを次のコマに移動します。
表示倍率(Z) プレビュー表示の表示倍率を設定します。
警告表示 ハイライト警告、シャドー警告、色域外警告などの表示設定をおこないます。
スポッティング領域の強調表示 「スポッティングツール」で画像に修正を加えた領域を強調表示します。
グリッド表示 プレビュー表示のグリッド表示の有効/無効を切り替えます。
サムネイルの並び替え サムネイルの表示順序の規則を設定してサムネイルを並び替えます。
処理対象コマの選別 処理対象コマの中で表示するコマを選別します。
ヒストグラム(H) 「ヒストグラム」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。
画像のプロパティ 「画像のプロパティ」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。
編集履歴 「編集履歴」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。
バッチ現像状況 「バッチ現像状況」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。
ホワイトバランス微調整 「ホワイトバランス微調整」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。
トーンカーブ(T) 「トーンカーブ」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。
ハイライトコントローラ 「ハイライトコントローラ」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。
ファインカラーコントローラ 「ファインカラーコントローラ」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。
レンズ収差補正 「レンズ収差補正」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。
回転・デジタルシフト 「回転・デジタルシフト」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。
表示設定(D) 表示に関する設定をおこないます。
(5) パラメータ(P) 現像パラメータに関する項目をまとめています。
現像パラメータのコピー(C) 選択されている1つのコマの現像パラメータをペーストバッファにコピーします。
現像パラメータの貼り付け(P) ペーストバッファにコピーされている現像パラメータを選択されているコマに貼り付けます。
現像パラメータの
部分貼り付け
ペーストバッファにコピーされている現像パラメータの一部を選択されているコマに貼り付けます。
画像のプロパティ
の部分貼り付け
ペーストバッファにコピーされている画像のプロパティの編集状態を選択されているコマに貼り付けます。
現像パラメータの初期化(O) 選択されているコマの現像パラメータを初期状態に初期化します。
トリミング領域の初期化(T) 選択されているコマのトリミング領域を初期状態に初期化します。
テイストの登録 選択されているコマの現像パラメータをテイストとして追加・登録します。
テイストの編集 登録されているテイストの編集をおこないます。
現像パラメータの読み込み(R) ファイルに保存されている現像パラメータを読み込みます。
現像パラメータの保存 選択されている1つのコマの現像パラメータをファイルに保存します。
画像の回転 +90° 選択されているコマを時計回りに90°回転します。
画像の回転 -90° 選択されているコマを反時計回りに90°回転します。
現像パラメータを一時登録 選択されている1つのコマの現像パラメータを一時登録バッファにコピーします。
一時登録された
現像パラメータの貼り付け
一時登録バッファにコピーされている現像パラメータを選択されているコマに貼り付けます。
最終編集パラメータの
貼り付け
自動保管されている最終編集パラメータを選択されているコマに貼り付けます。
パラメータ初期値の設定 登録されているテイストの1つをパラメータ初期値として設定します。
(6) 現像(D) 現像処理に関する項目をまとめています。
1コマ現像(S) 選択されている1つのコマを現像処理してファイルに保存します。
現像予約コマの
バッチ現像(V)
現像予約されているコマのバッチ現像をおこないます。
選択コマのバッチ現像 選択されているコマのバッチ現像をおこないます。
選択コマを
すぐにバッチ現像に登録
選択されているコマをバッチ現像のジョブとして登録します。
バッチ現像状況 「バッチ現像状況」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。
現像結果保存設定(E) 現像結果のファイル保存に関する設定をおこないます。
バッチ現像の設定 バッチ現像の設定を行います。


(7) オプション(O) 設定に関する項目をまとめています。
現像結果保存設定(E) 現像結果のファイル保存に関する設定をおこないます。
表示設定(D) 表示に関する設定をおこないます。
機能設定(F) SILKYPIX全般の機能に関する設定をおこないます。
キー設定(K) ショートカットキーにSILKYPIXの機能の割り当てをおこないます。
パラメータ初期値の設定 登録されているテイストの1つをパラメータ初期値として設定します。
印刷用日付焼き込みデータ設定 印刷用の日付焼き込みデータの編集をおこないます。
ファイル出力用日付焼き込みデータ設定ファイル出力用の日付焼き込みデータの編集をおこないます。
設定のインポート ファイルに保存された各種設定ファイルから設定をインポートします。
設定のエクスポート 各種設定を設定ファイルにエクスポートします。
コントロール配置の登録 コントロールの配置を登録します。
コントロール配置の復元 登録してあるコントロールの配置を復元します。
オプション機能
アクセス履歴の消去 処理対象としたファイルやフォルダのアクセス履歴を消去します。
コントロール表示状態の
初期化
サブコントロールの表示位置や状態を初期化します。
スキンの選択 SILKYPIXのスキンを選択します。
ウェルカム画面を表示 ウェルカム画面の表示/非表示を切り替えます。
(8) ヘルプ(H) ヘルプやSILKYPIXに関する項目をまとめています。
ソフトウェアマニュアルを開く(H) このマニュアルを表示します。
SILKYPIX WEBサイト表示 SILKYPIXのWEBサイトを表示します。
プロダクト・キーの登録 プロダクト・キーの登録を開始します。
プロダクト・キー登録の解除 プロダクト・キー登録の解除をおこないます。
トラブル・シューティング 弊社サポートからの指示に従って操作していただくトラブル対処用の機能です。
ユーザー設定ファイルの初期化 SILKYPIXのユーザー設定ファイルを初期化します。
一時ファイルの削除 SILKYPIXが処理の高速化のために作成した一時ファイルを削除します。
エラーレポートの送信 エラーレポートを弊社サーバーに送信します。
プロダクト・キーの登録テスト プロダクト・キーのオンライン登録が可能かどうかのテストをおこないます。
トラブル・シューティング設定 トラブル回避のための設定をおこないます。
バージョン情報 SILKYPIXのバージョン情報とお客様のライセンス情報を表示します。

0.1.3. ツール・バー



ツール・バーには、使用頻度の高い機能のアイコンを配置してあります。

ここで選択可能な機能の多くは、ショートカットキーに割り当てることができます。
キーの設定方法については、「9.4. キー設定」をご参照ください。



(1) パラメータ・コントロールを表示する フォルダを開くのをやめ、パラメータ・コントロールを表示します。
(2) フォルダを開く 指定したフォルダの中にあるRAWデータやJPEG/TIFF画像を開きます。
(3) ファイルを開く 現像処理するRAWデータやJPEG/TIFF画像をファイル単位で開きます。
(4) 印刷 選択されているコマの印刷処理をおこないます。
(5) 履歴を戻す 現像パラメータの編集状態を1つ前の状態に戻します。
(6) 履歴を進める 現像パラメータの編集履歴が戻されている状態で履歴位置を1つ進めます。
(7) サムネイル表示 サムネイル表示モードに切り替えます。
(8) コンビネーション表示 コンビネーション表示モードに切り替えます。
(9) プレビュー表示 プレビュー表示モードに切り替えます。
(10) マルチプレビュー プレビュー・ウィンドウを2分割して画像の比較などをおこないます。
(11) 警告表示 ハイライト警告、シャドー警告、色域外警告などの表示設定をおこないます。
(12) 前のコマへ 選択コマを1つ手前のコマに移動します。
(13) 次のコマへ 選択コマを次のコマに移動します。
(14) プレビュー表示モード プレビュー表示の操作モードや表示方式の設定をおこないます。
(15) 露出補正ツール プレビュー表示の指定箇所を基準にして露出を調整します。
(16) グレーバランスツール プレビュー表示の指定箇所を基準にしてホワイトバランスを調整します。
(17) 黒レベルツール プレビュー表示の指定箇所を基準にして黒レベルを調整します。
(18) スポッティングツール スポッティングツールでゴミ取りなどの画像の修正をおこないます。
(19) トリミング領域設定 プレビュー表示で画像のトリミング領域を設定します。
(20) 画像の回転 -90° 選択されているコマを反時計回りに90°回転します。
(21) 画像の回転 +90° 選択されているコマを時計回りに90°回転します。
(22) 現像予約 選択コマを現像予約します。
(23) 1コマ現像 選択されている1つのコマを現像処理してファイルに保存します。
(24) 現像予約コマのバッチ現像現像予約されているコマのバッチ現像をおこないます。
(25) 選択コマのバッチ現像 選択されているコマのバッチ現像をおこないます。
(26) 環境設定 表示設定、機能設定などのSILKYPIXの設定をおこなう。
(27) バージョン情報 SILKYPIXのバージョン情報とお客様のライセンス情報を表示します。
(28) プラグイン プラグインを実行します。
(29) バッチ現像状況 「バッチ現像状況」サブコントロールの表示/非表示を切り替えます。



0.1.4. メイン・コントロール部



メイン・コントロール部のパーツをパーツの種類として分類した場合、以下の5つに分類されます。



(1) カテゴリ選択アイコン タブ・ページに表示されるサブコントロールのカテゴリを選択します。
(2) テイスト選択
ドロップダウンリスト
現像パラメータの各カテゴリに登録されているテイストを選択します。"V"マークをクリックするとドロップダウンリストが開きます。
(3) テイスト追加アイコン 現在の現像パラメータをテイストとして登録します。
(4) テイスト適用アイコン 現在複数選択されているコマに対して、現像パラメータの各カテゴリに登録されているテイスト反映させます。
(5) 露出補正調整コントロール 現像パラメータの中の、"露出補正"、"露出微調整"、"HDR/覆い焼き"のパラメータを調整します。自動露出補正の選択もここで行います。



メイン・コントロール部のパーツを操作目的ごとに分類した場合、次の8つに分類されます。



(A) テイスト・パラメータ 「テイスト・パラメータ」サブコントロールに切り替えます。
ここで選択されるテイストは、現像パラメータの全てのカテゴリを対象としたテイストで、全体テイストと部分テイストの2種類があります。
(B) ホワイトバランス 「ホワイトバランス」サブコントロールに切り替えます。
ここで選択されるテイストは、「ホワイトバランス」カテゴリの部分テイストです。
(C) 調子 「調子」サブコントロールに切り替えます。
ここで選択されるテイストは、「調子」カテゴリの部分テイストです。
(D) カラー 「カラー」サブコントロールに切り替えます。
ここで選択されるテイストは、「カラー」カテゴリの部分テイストです。
(E) シャープ 「シャープ」サブコントロールに切り替えます。
ここで選択されるテイストは、「シャープ/ノイズリダクション」カテゴリの部分テイストです。"シャープ"と"ノイズリダクション"のサブコントロールは個別に存在しますが、現像パラメータのカテゴリは共通です。
(F) ノイズリダクション 「ノイズリダクション」サブコントロールに切り替えます。
ここで選択されるテイストは、「シャープ/ノイズリダクション」カテゴリの部分テイストです。"シャープ"と"ノイズリダクション"のサブコントロールは個別に存在しますが、現像パラメータのカテゴリは共通です。
(G) 現像設定 「現像設定」サブコントロールに切り替えます。
選択可能なテイストありません。



0.1.5. サブコントロール

サブコントロールは現像パラメータの詳細を調整するためのコントロールです。
パラメータ・コントロールのタブ・ページに配置されるか、もしくはフローティング・ウィンドウとして表示され、現像パラメータの各カテゴリに個別に用意されています。 (*1)

サブコントロールでのパラメータの選択/調整は、おもにスライダーとエディットボックスで構成される数値の調整のためのコントロールと、ドロップダウンリスト、チェックボックスで構成されています。

操作方法については「0.1.7. GUIの操作方法」をご参照ください。

*1 例外として、「シャープ」と「ノイズリダクション」のサブコントロールは個別に存在しますが、現像パラメータのカテゴリは共通です。


0.1.6. サブコントロール・アイコン



(1) ヒストグラム 選択コマのヒストグラムを表示するサブコントロールです。
(2) 画像のプロパティ画像のプロパティを表示するサブコントロールです。一部の画像情報を編集することができます。
(3) ホワイトバランス微調整 ホワイトバランスを感覚的に調整するためのサブコントロールです。
(4) トーンカーブ トーンカーブによる調子の微調整をおこなうためのサブコントロールです。レベル補正の機能を備えます。
(5) ハイライトコントローラ 色が飽和した部分の色彩や階調を調整するサブコントロールです。ダイナミックレンジの調整もおこなえます。
(6) ファインカラーコントローラ 色相ごとに、色相/彩度/明度の調整をおこなうためのサブコントロールです。
(7) レンズ収差補正 シェーディング(周辺光量低下)やディストーション(歪み)、倍率色収差の補正をおこなうためのサブコントロールです。
(8) 回転・デジタルシフト 画像の回転処理と、シフトレンズの効果をシミュレートしたデジタルシフトをおこなうためのサブコントロールです。
(9) 編集履歴 現像パラメータの編集履歴を表示し、過去の編集状態に戻したり、過去の編集状態を比較用プレビュー・ウィンドウに表示したりするためのサブコントロールです。



0.1.7. GUIの操作方法

パラメータ・コントロールとサブコントロールには各種のGUIコントロールが配置されていますが、ここではこれらに共通した操作方法について説明します。

(1) スライダー・コントロール
スライダーバー、エディットボックス、そして数値を変更するボタンから構成されるSILKYPIX® Developer Studio Pro 5の標準GUIの1つです。
値を変更する方法として、以下の方法があります。



a) スライダーの指針をドラッグして値を変更する
b) スライダーバーをクリックして値を変更する
c) エディットボックスの左右に配置されたスピンボタンをクリックして値を上下させる
d) エディットボックスに数値を直接入力する
エディットボックスにフォーカスを移動させるとエディットボックスの背景が赤くなります。これは数値の直接編集モードに入ったことを示します。
[Enter]キーを押すと編集内容は確定して直接編集モードから抜けます。他のコントロールにフォーカスを移動させた場合も編集内容は確定して直接編集モードから抜けます。
[ESC]キーが押された場合は編集内容を破棄して直接編集モードから抜けます。
他の操作方法では設定することのできない中間値の設定がおこなえる場合があります。
e) マウスホイールで値を上下させる
マウスホイールは、スライダーバー、エディットボックス、そして数値を変更するボタンから構成されるスライダー・コントロールの領域内にマウスカーソルがのっている場合のみです。
エディットボックスの直接編集モードなどを除いて、"SILKYPIX® Developer Studio Pro 5"ではフォーカスの概念を採用しないことにいたしましたので、操作対象のコントロール上にマウスカーソルを移動してマウスホイールを使用してください。
f) スライダーバー上の初期値マークをクリックして初期値を設定する
g) スライダーバーの上にある目盛りをクリックして値を設定する
h) エディットボックスをダブルクリックして初期値を設定する



(2) エディットコントロール
エディットボックス、そして数値を変更するボタンから構成されるSILKYPIX® Developer Studio Pro 5の標準GUIの1つです。トリミング領域設定などで使用されています。

a) エディットボックスの左右に配置されたスピンボタンをクリックして値を上下させる
b) エディットボックスに数値を直接入力する
エディットボックスにフォーカスを移動させるとエディットボックスの背景が赤くなります。これは数値の直接編集モードに入ったことを示します。
[Enter]キーを押すと編集内容は確定して直接編集モードから抜けます。他のコントロールにフォーカスを移動させた場合も編集内容は確定して直接編集モードから抜けます。
[ESC]キーが押された場合は編集内容を破棄して直接編集モードから抜けます。
他の操作方法では設定することのできない中間値の設定がおこなえる場合があります。
c) マウスホイールで値を上下させる
マウスホイールは、エディットボックス、そして数値を変更するボタンから構成されるエディットコントロールの領域内にマウスカーソルがのっている場合のみです。
エディットボックスの直接編集モードなどなどを除いて、"SILKYPIX® Developer Studio Pro 5"ではフォーカスの概念を採用しないことにいたしましたので、操作対象のコントロール上にマウスカーソルを移動してマウスホイールを使用してください。


d) エディットボックスをダブルクリックして初期値を設定する
初期値が設定されていない場合は機能しません



(3) ドロップダウンリスト
右の"V"マークをクリックするとドロップダウンリストが開きます。マウスを移動させて選択する項目をクリックして確定します。
ドロップダウンリストを開いていない状態で、マウスホイールにより選択項目を変更することができます。

(4) チェックボックス
調整項目の有効/無効を切り替えます。


0.2. SILKYPIX®とは?


本ソフトウェア SILKYPIX®は、デジタルカメラが記録したRAWデータを処理して画像を生成するソフトウェアです。(*1)
この、RAWデータを処理して画像を生成する処理を「現像」と呼びます。

RAWデータとは、イメージセンサーが捉えた光エネルギー情報をそのまま記録する未加工のデータのことで、通常のJPEGファイルと比較してファイルサイズは大きくなりますが、より多くの撮影時の情報が記録されています。

RAWで撮影する(=撮影結果をRAWデータで保存すること)と、撮影後でも未加工の光エネルギー情報からさまざまな画像処理を施すことができることになります。
RAWで撮影メリットを生かして、RAWデータから撮影したシーンを再現する可能性を極限まで引き出すのがSILKYPIX®の役割であり、SILKYPIX®はそれを実現するために開発されました。

*1 ... JPEG/TIFF画像を現像対象にすることもできます。詳しくは、「2.4. JPEG/TIFF画像の取り扱い」をご参照ください。

0.2.1. 基本的な画像調整項目

本ソフトウェアでは、現像処理の中で、さまざまな現像パラメータが調整可能です。ここでは基本的な現像パラメータを紹介します。

(1) 露出補正 カメラで露出補正をおこなって撮影した場合と同等の結果を、現像時のパラメータ調整でおこなうことができます。
また、高精度の自動露出補正機能により、すばやく適正露出に追い込むことができます。
(2) ホワイトバランス調整 カメラで適切なホワイトバランスの設定をおこなって撮影した場合と同等の結果を、現像時のパラメータ調整でおこなうことができます。
また、色温度変換フィルタを使用して撮影した場合と同等の効果を現像時のパラメータ調整でおこなうこともできます。
(3) シャープネス・ノイズリダクション調整 撮影した写真の輪郭強調や、ノイズ除去などを現像時に調整することができます。
(4) トーン調整 撮影した写真の調子(軟調、硬調など)を現像時に調整することができます。
(5) 彩度調整 フィルムを選択する感覚で使えるカラーモードや、細かな色の微調整機能などを備え、写真の色づくりを強力にバックアップします。
(6) レンズ収差の補正 レンズ固有のシェーディング(周辺光量低下)、ディストーションや倍率色収差を補正または低減し、より高品位な画像を生成することができます。
(7) 回転、デジタルシフト カメラを傾けて撮影してしまった場合でも、回転機能により傾きを簡単に修正できます。
さらに、シフトレンズと同様の効果のあるデジタルシフト機能により遠近感のコントロールがおこなえ、建築物の撮影に威力を発揮します。

0.2.2. SILKYPIX®の特徴

撮影時にRAWデータで記録保存して本ソフトウェアで現像することで、さまざまな調整を撮影時ではなく現像時に決めることが可能になります。JPEG/TIFFで保存した場合と比較して、情報が加工されていないことと、記録されている情報量が豊かであることもRAWデータで記録保存することのメリットです。

本ソフトウェアではJPEG/TIFFで記録保存した写真の再調整も可能です。しかしながら、JPEG/TIFF画像は特定のカラースペース(sRGBやAdobeRGBなど)に変換されていることと、色の階調が8bit=256段階に変換されていることから、RAWデータと比較して記録されている情報量が少なくなっています。
そのため、JPEG/TIFFで記録保存した写真の再調整の場合は、調整の幅が狭く、また調整による画質の劣化はより大きなものとなります。
高い画像品質を維持したまま画像を調整するためには、撮影時にRAWデータで記録保存する必要があります。

RAWデータで記録保存して本ソフトウェアで現像処理することで、撮影時に色や画像の調整をおこなった場合とほぼ同等の結果を、撮影後の現像処理時に得ることができるようになります。
SILKYPIX®は、撮影に費やす時間を大幅に短縮し、大切な「一瞬」をカメラに納めるチャンスを拡げるでしょう。

さらに、SILKYPIX®は高度な現像アルゴリズムを採用することで、以下のような特徴を備えています。

(1) 高解像度、高分解能
解像度は、レンズとイメージセンサーの画素数によって決まると一般には認識されていますが、実際の画像解像度は現像処理の中のデモザイクという処理が大きな鍵を握っています。
RAWデータで撮影して、本ソフトウェアで現像することで、カメラが記録するJPEG画像よりも精細な画像を得ることができます。

(2) 高い色分離性能
彩度の高い色境界で、エッジの色が抜け落ちて、白い偽輪郭が発生するデジタルカメラ特有の現象があります。
この白い偽輪郭が発生した「デジタルっぽい絵」と比喩される画像は、輝度の分解能に比べ、色の分解能が低いために発生する現象です。
本ソフトウェアでは、高い色分解能を得るために、まったく新しい方式のデモザイクロジックを開発・搭載しました。このロジックにより、繊細で高い色分解能を実現しています。

(3) 低偽色
現在のほとんどのデジタルカメラに使われているセンサーは、ベイヤー配列と呼ばれる構造を持っています。
これは、R,G,B のセンサー素子をベイヤー配列という順序に従って平面状に並べた方式で、1つのセンサーは R,G,B 中の1色だけしか取り出すことができないために、画像のエッジ部や、微細な模様部分に偽色(色付き)が現れます。
本ソフトウェアでは、高度なピクセル値予測ロジックによって、この偽色を高いレベルで抑え込んでいます。
本来、高解像度・高分解能・高色分離性能と低偽色は、その性質上相反します。高い分解能を得れば偽色が増加し、偽色の抑制に注力すれば分解能が低下してしまうことになります。
本ソフトウェアでは、この相反する性質の処理を高度なレベルで両立させ、自然な画像と発色を実現しています。

(4) 高感度撮影時の色ノイズ抑制
夜間撮影や、暗い状態で被写体を撮影する場合など、高感度モードで撮影すると、イメージセンサーのノイズによって、画像にデジタルカメラ特有の色ノイズが発生します。
この暗い画像部分にのった不規則な色ノイズは、とても目障りに感じるもので、これを嫌うが故に高感度撮影をあきらめている写真家の方も多いと思います。
本ソフトウェアでは、この色ノイズを低減する機能を持っており、高感度撮影においても驚くほど清潔な画像に現像することが可能です。
これによって、撮影方法や被写体に幅が広がり、新しい作画を可能にします。

(5) ハイライト部色相ずれ抑制
ハイライト部分で、色相の回転や色が飛ぶことによって白くなる現象を押さえ込む機能を搭載しています。
例えば、人物撮影において、肌をハイライトに飛ばすまでに現像ゲインを上げると、肌色から白く飛ぶまでのハイライト境界部分が黄色く色相ずれを起こしやすくなります。
本ソフトウェアのハイライトコントローラは、色が飛ぶ領域での色制御を可能とし、ハイライト部分の細かな色づくりが可能です。

(6) 素直でリニアリティの高い色再現性
さまざまな光源下での撮影で正確な色が再現できるよう、多くのテスト画像から得られた複数のカラーマッチングデータを使用した独自のカラーマッチングロジックを搭載しています。
太陽(自然光)、蛍光灯、白熱電球、夕焼け、ストロボ光や、それらのミックス光等、多種多様なスペクトル分布の光源に対して、高い精度の色再現を実現しました。
この高い色再現性をベースとして、色を3次元的に置き換える「3次元カラーマッピング方式」を利用することにより、人間の記憶に近い色を再現する「記憶色」や、美しい肌色再現を可能にする「美肌色」、そしてポジフィルム調の色を再現する「フィルム調」と豊富な色モードを搭載し、用途や画像によって使い分けていただけるようになっています。
また、色をファインチューニングする「4.10. ファインカラーコントローラ」により、色づくりをきめ細かく調整することができます。

(7) ハイライトダイナミックレンジ圧縮によるハイライト再現の制御
白点として再現される部分よりも明るい部分をも記録する RAWデータの性質を最大限に生かし、RAWデータに記録された情報のダイナミックレンジを最大限に生かすダイナミックレンジコントロールを搭載しています。
フィルムのように粘り強いハイライト特性を手に入れることができます。


0.3. フォトレタッチソフトとの違い


本ソフトウェアで RAW現像する場合と、フォトレタッチソフトによる画像処理は似ています。
最近では、 RAWデータ対応のフォトレタッチソフトも出回ってきていますが、フォトレタッチソフトとの決定的な違いがあります。これを理解することで、本ソフトウェアの特徴を最大限に生かすことができます。

その違いとは、本ソフトウェアは、常に RAWデータから全ての画像処理をやり直すという点です。
現像パラメータを変更した場合(例えば、露出や、ホワイトバランスや彩度などを変更した場合)、本ソフトウェアは、常に元のRAWデータを読み出すところから画像処理をやり直します。
現像パラメータは、RAWデータとは異なる別のファイルに記録されます。
このため、コンピュータに与える負荷は大きくなりますが、その反面、素晴らしいメリットを手に入れることができます。

(1) RAWデータ・ファイルは改変されない(非破壊画像処理)
操作ミスなどによって大切な原画を変更してしまうことがありません。
本ソフトウェアの基本設計は、「RAWデータ・ファイルを改変しない」ということです。
フォトレタッチソフトやデジカメ編集ソフトによって、カメラで記録したJPEGファイルを処理する場合、原画を上書きしてしまう可能性がありますが、本ソフトウェアでは、元データ・ファイルを改変することはありません。 (*1)

(2) 納得の行くまで何度でもパラメータを変更できる
フォトレタッチソフトでは、1つ1つの独立した処理で画像を順次加工していきます。
例えば、明るさを調整してからカラーバランスを調整するケースでは、まず、明るさを調整した画像が作られ、次にその画像に対してカラーバランスの処理がおこなわれます。ひとつひとつ結果が確定されながら調整作業が進んでいくことになります。
カラーバランスの調整後に、再度明るさの微調整をおこなうことが必要となった場合、最初からやり直すか、もしくは、その時点の画像にさらに明るさ調整を施すかのいずれかの方法を選択することになります。前者の方法は画質的な劣化は起こりませんが、その分の手間がかかることになります。後者の方法は、画質の劣化を伴います。
常に最初から作業をやり直すという方法は実際には非現実的であり、多くの場合はある程度の画質の劣化を許容して作業を進めていくことになります。いかに画質の劣化を少なく、目的とする画像に調整するかはユーザーの腕のみせどころでしょう。

本ソフトウェアの場合は、画像処理を常にRAWデータの読み出しから最適な順番で施します。現像パラメータが決定されれば、決定されるまでの経緯にかかわらず、現像結果は常に同一で画質の劣化もありません。
露出を調整してからホワイトバランスを調整しても、逆にホワイトバランスを調整してから露出を調整しても、最終的なパラメータが同一なら結果は同じになります。
つまり、納得の行くまで何度でもパラメータを調整でき、調整作業に集中することができます。

(3) 調整手順による画質劣化がない
フォトレタッチソフトで調整を施す場合、調整の手順が画質に影響します。
明るさを調整してから、カラーバランスするか、はたまたその逆か... シャープネスはいつ施すか、トーンカーブは?作業用色空間は?レンズ収差補正は?
これらを常に最適な手順でおこなうことは非常に高度な知識を要求されます。手順が適切でないと、過度に画像を劣化させることになります。
また、手順が適切であった場合でも、処理の組み合わせによっては階調や色域の一部が失われてしまう場合があります。

本ソフトウェアでは、内部処理として真白よりも明るいピクセルをも伝達できる高階調パイプライン画像処理を適切に組み合わせることで、フォトレタッチソフトで発生するような画質劣化が発生させないように設計されています。
画像処理の処理順序はSILKYPIX®にお任せください。どのような手順で現像パラメータの調整をおこなっていただいても、SILKYPIX®は最適な画像処理で高い画質の現像結果を出力します。

(4) いつでもやり直せる
現像パラメータは1コマごとに、RAWデータとは別のファイルに管理され、自動的に読み込まれて更新されます (*2)。ですので、後日、現像パラメータの調整を前回の調整結果からやり直すことができます。
現像パラメータは現像結果を保存するJPEG/TIFF画像にも埋め込まれます。この現像結果に埋め込まれた現像パラメータは、本ソフトウェアで閲覧することや他の処理対象画像に適用することが可能です。 (*3) (*4)
現像結果のJPEG/TIFF画像と元のRAWデータさえあれば、いつでも現像結果の現像パラメータを読み込んで、前回の調整結果からの微調整を施すことができるのです。

(5) 効率よく画像調整がおこなえる
フォトレタッチソフトでは、設定したパラメータに基づく画像処理が完了してから次の画像処理をおこないますので、全ての調整が終わった段階で画像処理も完了しています。この手法の場合、複数の画像工程を経るためには前の工程が完了するまで待たねばならず、画像処理の完了まで多くの待ち時間が発生します。

本ソフトウェアでは、現像処理は後でまとめて一括処理することができます。プレビュー画像を見ながら現像パラメータを確定していき、現像処理を後で一括しておこなうというワークフローをとることができます。
効率よく画像の調整をおこなっていただくため、プレビュー画像は簡易的な画像処理や部分現像処理などを駆使して高速に表示されます。完全に1つの画像処理が完了していなくとも、次の現像パラメータの調整が可能な場合が多く、現像パラメータを決定するまでの間に無駄な待ち時間はほとんどありません。
実際に最終的な現像パラメータで現像処理する時間はある程度要したとしても、現像パラメータを決定するまでの工程は効率よくおこなえるようになっています。
このワークフローは、大量に撮影した写真を一気に処理する場合に威力を発揮します。


*1 JPEG/TIFF/DNG画像では、設定により回転情報タグを書き換えることが可能です。
*2 現像パラメータは、編集対象のRAWデータおよびJPEG/TIFF/DNG画像があるフォルダの中に作成される"SILKYPIX_DS"サブフォルダ内に自動的に記録されます。
*3 現像パラメータは、現像結果を記録保存するJPEG/TIFF画像のExif情報の中に埋め込まれます。Exif情報なしで記録保存した場合には埋め込まれません。
*4 現像結果を保存するJPEG/TIFF画像に埋め込まれている現像パラメータには、スポッティングツールの情報を含みません。


弊社では早くから、このような「非破壊画像処理」(弊社呼称 OIP技術)を開発し、1999年発売のデジカメソフト「デイジーデジカメフレンド」をはじめとする多くの製品に採用してきました。
本ソフトウェアでは、これをディストーション補正や、デジタルシフトなどの変形を伴う処理にも応用し、完全に一貫した画像処理のなかで実現しています。
回転や変形を伴う画像処理だけは現像後におこなわなければならないといった不便さがなく、露出やホワイトバランスなどの基本調整からレンズ収差補正に至るまで、一貫したスマートなワークフローを実現しています。


0.4. これまでの製品との違い


ここでは、"SILKYPIX® Developer Studio Pro"から追加/変更された機能について説明します。

0.4.1. 現像処理/出力処理

ノイズ処理の大幅な性能向上
ノイズリダクションを改良したことにより、高ISO感度で撮影された写真でのノイズリダクション効果が向上しました。これにより撮影の幅が拡がります。
フリンジ除去機能の搭載
フリンジとは、高輝度(明るい)部分に隣接する低輝度(暗い)部分のエッジに本来存在しない紫や緑といった色づきがおこる現象を指します。SILKYPIX® Developer Studio Pro 5ではノイズリダクションのタブ・ページにフリンジ除去機能を搭載し、フリンジを除去することが可能となりました。
HDR機能を搭載
RAWデータに含まれる情報を最大限引き出し、一枚のRAWデータからHDR表現が可能となりました。
従来HDR手法の多くは、露出の異なる複数の画像を合成し1枚の画像にする方法が用いられていました。SILKYPIXDSP5はRAWデータが保有する豊富な情報を最大限に活用することで、一枚のRAWデータからでHDR表現を実現することができます。そのため、皆様が撮り貯めた過去のRAWデータからでもHDR画像を作ることができます。
ホワイトバランスの改良
SILKYPIX AWB(オート・ホワイトバランス)の評価精度が向上しました。
新設計のAWBは、カメラのAWBが苦手とされている撮影シーンにおいても、高精度に色カブリを自動調整し、適切な色再現を与えてくれます。
2種類の方針から選択可能なオート・ホワイトバランス
ホワイトバランスのプリセットにオートAWBのテイストを追加しました。
従来のSILKYPIXAWBを光源色による色カブリをできるだけで解消する「Auto(絶対)」として、新しいプリセットとして光源色の雰囲気を知覚的に再現する「Auto(自然)」を搭載しました。光源色による色カブリを完全に補正せずに、色調を残したい場合に効果的です。
ミックス光の補正
ミックス光補正を搭載しました。
画面内に2つ以上の異なる光源色がある場合、それらを自動で判別し処理を行います。
暗部調整の動作の変更
ホワイトバランスの暗部調整を、露出補正の後に反映するようにしました。
これにより、明るい部分に影響を与えることなく暗部調整をかけることができます。
黒レベルツール
逆光などの撮影条件やレンズフレア、遠景を撮影した際の水蒸気の影響などにより、実際に黒い(または暗い)はずのものがグレーに浮き、コントラストの低い写真になってしまうことがあります。
この場合、黒レベルを適切に設定することでグレーの浮きを緩和させて黒を締めます。黒レベルツールはこの「黒レベル」をプレビュー画面上の指定した点や領域を任意の黒レベル値に調整するツールです。
カラーモードの改良
従来までのカラーモードを、「プロファイル」と「色表現」のカテゴリとして細分化を行いました。
「プロファイル」では、従来のモード“V4互換”に追加して“自然”“忠実色”“モノクロ”を新たに搭載しました。「色表現」との組み合わせにより、より多彩な色彩表現をご活用いただくことが可能です。
パラメータの調整幅の拡大
露出、WBの色偏差、調子のコントラスト、コントラスト中心、ガンマで範囲外の値をエディット入力で設定できるようにし、調整幅を拡大しました。
ダイナミックデフォルト
RAWデータの撮影時の情報に応じて一部のパラメータを自動的に変更する機能です。
従来もWBの撮影時情報、レンズ収差補正のシェーディングの画角、回転・デジタルシフトの画角等はパラメータの初期値に反映していました。それらに加えて、シャープネス(輪郭強調)、NR(偽色抑制、ノイズ除去)、現像設定(デモザイク精鋭度)、ハイライトコントローラ(ダイナミックレンジ)の初期値が動的に変わります。


0.4.2. 表示関連

コントロールやアイコンの大きな表示
大きなコントロールのスキンを使用できるようになりました。
高い解像度の液晶モニターをお使いの方や、文字やアイコンが小さくて見にくいと感じる方にとって視認性や操作性が向上しています。
ファインカラーコントローラの改良
現実色に合わせた色相区分に改良されました。
プレビュー表示の改良
100%以上のプレビュー表示で簡易現像を行わないように改良しました。調整結果をスピーディーに確認することができます。
また、シャープネスやノイズリダクションの設定を変更した際もプレビューが粗くならないようにしました。
レンダリング中のプレビュー枠点滅
画像のレンダリング中はプレビュー枠が点滅表示するようになり、処理中であることがわかりやすくなりました。

0.4.3. 操作/GUI

露出補正のGUIを変更
覆い焼きとHDR調整のスライダーがメイン・コントロール部へ移動
覆い焼きのスライダーがメイン・コントロール部に移動しました。初期値はHDRですがリストから選択することで覆い焼きと切り替えることができます。
露出微調整のスピンボタン化
露出微調整が、前バージョンまでのスライダーでの調整からスピンボタンでの調整に変更となりました。
自動露出補正のボタン化
以前のバージョンではプリセットにあった自動露出がボタン化されました。AEボタンを押すことで、自動露出補正を行うことができます。
フォルダツリーによる画像選択
画像のブラウジングを行うためのフォルダツリーを採用しました。フォルダツリーを表示状態のまま、サムネイル画面を切り替えることで、保存されている画像の確認を効率良く行うことができる便利な機能です。

0.4.4. その他

64bitOSへのネイティブ対応
64bit対応OSとの組み合わせや、3G以上のメモリを有効に使用できるようになることによって、より高速で優れたパフォーマンスを発揮することができます。
Unicodeへの対応
Unicode対応により、複数言語への対応が可能となりました。
Exif 2.3の対応
2010年4月制定のディジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格である「Exif 2.3」に対応しました。「Exif 2.3」では、高感度化によるタグの追加や、GPSタグへの記録方法ガイドラインの追加等が改定されました。
画像のプロパティ内のGPS情報編集
GPS情報は、緯度・経度・高度・方向の編集を行うことができます。また外部機器のGPS情報をコピー&ペーストによって編集する場合は、編集項目以外の情報もコピー&ペーストすることが可能です。



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